創造神の誕生(後) ―魔法世界〜―
□第82話 それぞれの歩み方
1ページ/3ページ
アスナSIDE
私は木乃香と刹那と楓と一緒にハンター業をやりながら生計を経てている。最初は私と刹那のみで大変だったわ。
何しろ木乃香と離れ離れになったから刹那がもう混乱と暴走の繰り返しだったからね。その度に私が突っ込むんだから。
まあそれもちょうどハンターとしての仕事を終えて村に帰った所にちょうど同じハンター業をしていた木乃香と楓がいたんだから。
再会できて木乃香と刹那の喜びはすごかったわね。まあそのおかげで協力してハンター業をして大分資金が溜まったわ。
「なぁアスナ。少し機嫌直してくれへん?」
「…どういう意味よ木乃香」
「いや、木乃香殿の言う通りでござる。アスナ殿、ちょっといやかなり機嫌が悪いでござるよ」
(それを言ったら木乃香殿も刹那殿も機嫌が悪いでござるけど)
機嫌が悪い?私が?私はいつも通りよ。ただ、なんでかなぁ?ここ数日なんだか誰っていうか誰達かがよからぬ事を振りまいてリョウさんを困らせてる気がするのよ。
それも私にとってはとてもよくないことを。
「そ、そうでござるか」
(こ、怖すぎるでござる!こんなアスナは初めてでござる!あのアスナが能面のような!)
「アスナもか?実はウチにも同じ考えが浮かんだんや」
「私は…そこまで」
(木乃香殿もでござるかああああ!?刹那殿はまだ大丈夫でござるがアスナ殿と木乃香殿が怖い!怖すぎるでござるううう!)
楓ったらさっきから冷や汗垂らしてガクガク震えてるわね。どうしたのかしら?まあいいわ。それにしてもネギったら随分と大胆なことをしたわよね。
まさかナギの名を使って大会に出るなんて。そういえば拳闘士で思い出したけどラカンがいたわね。ラカン…ナギのライバルでリョウさんに毎回ボッコボコにされたのを思い出すわ。
「今は小太郎君しか出てないですね」
「まあ小太郎君だけでも勝てるけどね。ネギだけど、多分ラカンが関係してるかも」
「ラカン?ジャック・ラカン殿の事でござるか?」
「そうよ。知ってるの?楓」
「一応我々はハンターよりも傭兵に近いでござるからね。ラカン殿のことは有名でござる」
そういえばそうだったわね。この稼業をやってるとラカンの話はよく出てくるわよね。
「アスナ殿はラカン殿を知ってるのでござるか?」
「知ってるも何も昔一緒にいたこともあったし。リョウさんによくコテンパンに伸されてるのを覚えてるわ」
「リョウさんと一緒にいたってことは父様とも?ならラカンさんって紅き翼のメンバーなん?」
「そうよ。筋肉馬鹿でよくリョウに勝負を挑んでたわ」
毎日毎日飽きもせずにね。リョウも呆れ果ててたっけ。
「とりあえず合流するために頑張るでござる。まだ某はこの中で一番弱いでござるからな」
「安心しなさい。楓は確実に強くなってるわよ。刹那が本気になるなんてね」
「そうですね。最近あぶないところが増えましたしね。やっぱり楓はすごいです」
「まあそれでも私にはかなわないけどね」
楓はほんとに強くなってきてるからね。簡単に負けるわけにはいかないわ。