創造神の誕生(後) ―魔法世界〜―

□第82話 それぞれの歩み方
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マナSIDE



私は高畑先生とともに魔法世界に来ている。ゲート襲撃を聞いて麻帆良から派遣されてやって来たのだ。

「どうにかやって来れました。よかった」

「ありがとうございます。正直来れなかったらどうしようかと思いました」

全くだよ。封鎖する前にゲートがまだ起動してくれていて。まあそれも杞憂に終わったからよしとするか。

「さて…さっそくクルトから情報と状況を聞かないとね。何も無ければこちらも動けないからね」

そうですね。アスナ達やネギ先生達は心配してない。トラブルは常だし揉まれれば成長するだろう。問題はリョウさんだ。
リョウさんはエヴァと茶々丸と同行をともにしている。あの吸血鬼は何しでかすかわかったもんじゃない。もしかしたらよからぬ事を企んでるのかも。
そうはさせない。リョウさんは私の大切な人だ。必ず私が…アスナ達にも。

「な、なんだかすごく気合いが入ってるね。龍宮君」

「そうですね。リョウさんを毒牙から守らないと」

「そ、そう…」
(リョウさん…相変わらず女難がすごいなぁ)

高畑先生はなぜか何ともいえない表情を向こうへと向けていた。わからないけどまあいいや。さっさと情報と状況を聞いてリョウさんの所に行かないと!待っててくれ!リョウさん!



レイアSIDE



「おいキサマ!さっきからリョウに引っ付きすぎだ!いい加減に離れろ!」

「断るのじゃ!久し振りのリョウ成分を補給中なんじゃ!絶対に離さぬ!」

エヴァさんの言う通りさっさとリョウさんから離れてほしい。私はあのゲートでのランダム転送でネギ達と別れて途方に暮れていた。
そこにリョウさんがエヴァさん達を連れて現われて助けてくれた。私は一緒に行動して今はこの帝国にいる。連合国とは同盟を結んでるけど基本敵国。
なのにリョウさんはすんなり入れてしかも帝都に来ている。さらにその帝国の皇女さんと親しげ。なんでも昔に一緒に同行していたらしい。

「お主がナギとアリカの双子の妹の方か。うむ…アリカ似じゃのぅ。つまり兄はナギ似か」

父さんだけでなく母さんとも親しいんだ。母さんに似てるんだ。それにしても…やけにリョウさんに引っ付きすぎだ。エヴァさんが怒りまくり。

「全くリョウ。お主はどれだけ女子を増やせば気が済むのじゃ!正妻に内緒で!」

「いや、結婚した覚えなどないし。しかし、なんでお前にそんな事を言われなきゃならん」

「当然じゃ!私のライバルはあのアスナのみだったのにじゃ!いつの間にかこんなに増やしおって!よくアスナが許したもんじゃ!」

「…頭痛い。そもそも俺はその気はなかったんだがな」

「なにより一番厄介じゃったのはファンクラブじゃ。あれは厄介の極みじゃったわ。お主のファンレターやらプレゼントやらそれを裁くのがどれだけ大変じゃったか」

「おいちょっと待て。そんなの初耳だったんだが。そもそもファンクラブってのも合ったのも初めて知ったぞ」

リョウさんは驚いてたけど私達は予想していた。大戦の英雄で最強。本人は思ってはいないけどはっきり言って超イケメン。
ファンクラブが出来ないわけはないしモテないわけもない。事実、麻帆良では人気教師ランキングでリョウさんがダントツでトップだった。
しかもその大半は女子と私達にとってはよくない。

「全くこのモテ男め。どうせ麻帆良でも無駄にフラグを建てておったのであろう。じゃが、正妻である私は懐が大きいのじゃ。愛人なら許そう」

「先ほどのセリフとはまるで違うんだが」

やはり全員揃ってから決着を着けなくてはいけませんね。誰がリョウさんの正妻か!これは将来を賭けた戦い!聖戦!負けられません!

「はぁ…なぜこうなる」
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