創造神の誕生(後) ―魔法世界〜―
□ネギま編 第85話 拳闘大会決勝戦!
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リョウSIDE
今日から始まった拳闘大会本選。さすがは予選を勝ち抜いた選手達であってみんなかなりの実力者揃い。その中でも郡を抜いてるのは。
「さ、さすがはネギ先生です。優勝候補の選手をあんなにあっさりと」
「さすがネギ先生ネ。私のご先祖様」
「お見事、としか言い様がありませんね」
俺やアスナ達はVIP用の特別席でモニターと生を見ながら観戦する。ネギも小太郎もあれからまた腕を上げてるな。俺は満足げに頷く。
「ほほぅ…アレがあのナギの息子かの。ナギに似てむちゃくちゃかと思えばしっかりとした戦い方をするの」
「お、テオドラ。お前が一番乗りか」
「無礼者!テオドラ様に向かって!」
「よい。わらわは気にせん。もう下がるがよい」
現われたのはテオドラだ。ラカンが挨拶するが従者の侍女が怒鳴る。それをテオドラが制して下がらせる。
「リョウ〜!」
「うおっ!テオドラ、飛び付いて抱き付くな。びっくりすんだろ」
「はははっ!相変わらずのお転婆だな」
「む?おおラカンか。久し振りじゃの」
「俺とリョウの差が酷くね?」
まあラカンだししょうがなくね?しばらく滞在してたから別に抱き付かなくてもいいんじゃねえのかな?そんなテオドラをアスナが襟首を掴んで離れさせた。
「なにするんじゃっ!…てお主、アスナか?」
「えぇ。お久し振りねテオドラ」
「うむ、久し振りじゃ。それにしても成長したの?あのちんちくりんが」
「それはお互い様でしょ。それよりもいい加減にリョウから離れなさいよ」
「ふん!お主のような泥棒猫のせいでわらわは久し振りのリョウとの再会なんじゃ。抱き付いて当然じゃ」
「なにが当然よ。聞いたわよ。リョウが滞在してた間ずっと抱き付いていたって」
はぁ〜…またか。この2人はよく喧嘩をするんだよな。アスナもテオドラも成長したから喧嘩しないと思ってたんだがな。
「がっはっはっ!相変わらずだな!このリア充が!モテモテだな!」
「そこは茶化す所じゃないがな。頼むからゆっくり観戦させてくれよ」
「まあまあ…随分と大勢いますわね。こんなVIP席は初めてよ」
「全くだ。何よりもリョウが居やがる。こりゃあ面白い」
そこに顔なじみの2人がきた。まだアスナとテオドラは静かな口喧嘩をしてるし。しかも木乃香達まで加わってるし。勘弁してくれよ。
「それにしても、彼がナギの実子とはね」
「変身魔法を使ってんのか。まあ事情が事情だしな。で、そこの娘もナギのガキか」
「あ、はい。アリカ・スプリングフィールドです」
「ふぅん、意外と礼儀正しいな。ナギのガキにしては意外だわ」
「はははっ…否定できんな」
「うふふ…確かに。ナギは上の人に対しても失礼な態度をとっていましたからね」
「確かにな!がっはははは!」
「てめえもだバカ」
ナギとラカン、てめえとナギがもう態度が悪かったじゃねえか。おかげで詠春とかガトウは胃薬を持ってたんだぞ。
俺はどうでもよかったが。
「それにしても、これじゃあ優勝は決まったようなもんじゃな。お主に鍛えられたんだからの」
「まあな。あとラカンやらこれまでの対戦相手選手達にな。経験や練度が上がればな」
「そいつはどうかな?」
ラカンが悪巧みのような笑みを浮かべてやがる。ちっと嫌な予感が。
「なにがじゃラカン?」
「…あ〜、私何となくわかった気がする」
「奇遇だな。俺もだ」
「な〜に、このままだとつまらないと思ってよ。この俺様も参加することにしたんだよ」
『『『…なにいぃ〜〜〜!?!?』』』
イヤな予感的中かよ。荒れるぞ、確実に。英雄の息子対英雄…カードとしては面白いかもしれんが俺達からすれば恐ろしい以外なにもない。
とりあえずネギと小太郎…ご愁傷様。一応冥福は祈っといてやる。