創造神の誕生(後)

□なのは編 第3話 小学一年生
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「いいですよ。相手になります。後悔しても知らないからな」

「ふん!いい度胸だ…こい!」

なんだかたいへんなことになったの。リョウくんにおにいちゃん、どうじょうのほうにいってしまったの!

「しょうがないな。俺がいって来るか。ヒナタ、任せた」

「俺も行こうナルト。桃子」

「はい。いってらっしゃい」

なのはもいくの!



士郎SIDE



道場に行くと恭也は二本の小太刀の木刀、リョウ君は一本の木刀を持っている。まだ小学生だからなのか、リョウのは少しサイズが合っていない。
恭也は数振りして、リョウは何度も握ったりして測る。

「準備はいいな?」

「いつでも」

「リョウくん!」

む…なのはも来ちゃったか。これは困ったな。あんまり見せたくないのだがな。

「リョウくんやめるの!おにいちゃんにはかてないの!」

なのはの言う通り、恭也は強い。小学一年生と高校生ではまさに無謀だ。

「それでは…構えッ!」

2人は構える。恭也は油断なく攻めの構えを取る。どうやら速攻で倒すつもりのようだ。対してリョウは手をぶらんっと下ろして力を抜いている。
ただ突っ立っているだけだ。しかし…俺にはわかる。リョウはただ突っ立っているだけじゃない。

「おい!ちゃんと構えろ!」

「…」

「くっ!きさま…武道を、剣術を舐めるな!」

どうやら恭也は気付かないようだな。これでは恭也の負けだな。全く…どうやったらそんなことが出来るようになったのか。
才能か…それとも努力の賜物か…両方かな。

「気付いたか?士郎」

「気付いたよ。いやはや恐ろしいね。ナルト、君が教えたのかい?」

「まあな。これでもかなりの腕を持ってると自負している」

「おとうさん!リョウくんなんでかまえないの!?」

なのはにもわからないか。無理もないか。

「なのはちゃん。リョウはちゃんと構えているよ」

「え?」

「ああ。あれはまさに無の境地だ。完全に無になっている。それに気付かない恭也では勝てない」

「?むのきょうち?」

「ああ。格闘家にとっては究極の極地だ。それに気付かないようでは、恭也に勝ち目はない。それにしても、あんな年でこれとはな」

「ああ。我が息子ながら末恐ろしい」

さて…そろそろ始めの合図を。

「それでは…始め!」

合図と同時に恭也は神速を使って一気にリョウくんの眼前に迫る。そのまま右の小太刀で振るう。並の腕ならこれでおわりだろう。
だが…リョウ君は普通じゃない。リョウ君はしゃがんで躱し、そこから木刀で恭也の腹を殴る!

「ぐふっ!?」

恭也の体はくの字に曲がりそのまま前のめりに倒れた。勝負ありだな。

「勝者!創神リョウ!」

まさに一瞬の決着だったな。なのははリョウ君に駆け寄り褒めたたえる。リョウ君はいつも通りの表情で応える。
ふふふ…なのは、いい物件を見つけたな。10数年後が楽しみだよ。



3人称SIDE



リョウとなのはが小学一年生になって数ヶ月以上が経ったある日の昼食時。リョウは屋上で1人で弁当を食べている時。

「リョウく〜ん!」

そこになのはが現れた。しかも、2人の連れと一緒に。1人は金髪の子、もう1人は紫髪の子、どちらも髪の毛が長い。
リョウはそんな3人を見ながらも黙々と弁当を食べる。

「いたの!リョウくん、いつも屋上でおべんとう食べてるの?」

「まあな。ところでそこの2人は誰だ?」

「そうよ!なのは!あたしとすずかに教えなさいよ!」

「ア、アリサちゃん…」

「あ…うん!そうだね」

「自分で言う。俺は創神リョウだ。なのは、この2人の名は?」

「うん!リョウくん!こっちが【アリサ・バニングス】!それでこっちが【月村すずか】なの!」

「アリサ・バニングスよ!まあ、よろしくしてもいいわ!」

「アリサちゃん…ごめんなさい。アリサちゃん、少し緊張しているの。あ、わたしは月村すずか。よろしくね!創神リョウくん!」

リョウとアリサとすずかは互いに自己紹介をする。アリサは少し高圧的態度で言い、すずかは大人しめに言う。リョウは2人の名を反芻する。
まさかこの時期に会うとは思ってなかったからだ。

「…うん、覚えた。バニングスと月村だな」

「アリサでいいわ。あたしもリョウって呼ぶから」

「わたしもできればすずかって呼んで?」

「ああわかった。アリサとすずか」
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