創造神の誕生(後)
□なのは編 第5話 フェイト登場
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フェイトSIDE
地球という世界にきて、とあるマンションに住まう事になった。まずはお隣りさんにご挨拶しないと。チャイムを鳴らすと扉から私と同い年の男の子が出てきた。
まずは名前を言って自己紹介する。創神リョウ…って人は私とアルフを中に入れるよう促す。どうしようか?アルフ。
〔いいんじゃないか?このガキからリンカーコアを感じないしね。ただの一般人だ。じゃまさせてもらおう〕
アルフがそう言うなら、おじゃまさせてもらおうかな。
「それじゃあ…おじゃましてもらいます。え〜と」
「リョウでいい。俺もフェイトって呼ぶからさ」
「うん。わかった」
リョウに誘われて、私とアルフは中に入る。玄関を抜け、リビングに着くと金髪の男性と長い黒髪の女性がいた。
おそらくリョウ君の両親だと思う。
「あら?リョウ、この子は?」
「母さん。この子は今日から引っ越してきたお隣りさんの…」
「フェイト・テスサロッサです」
「フェイトちゃんね。私はリョウの母親の創神ヒナタです」
「俺は父親の創神ナルトだ。んで、フェイトちゃん…だったね。この動物は?」
「アルフ」
「犬かい?」
「狼です」
「それでフェイトちゃん。ご両親は?」
「えっと…母さんとは別居中で」
「あら、そうなの。ごめんなさい」
謝られて私はしどろもどろになった。どうしよう。私はなんとか気にしないでと言う。その後、私とアルフは晩ご飯を頂く事になった。
ヒナタさんがご飯を作っている間に私はリョウ君と一緒にゲームというものをし、アルフはそこらへんの床で眠る。
リョウ君と一緒に楽しめるゲームをしてる間に私はリョウ君の顔をチラッと見る。リョウ君の顔…カッコいいな。
私が見ているのに気付いてニコッと笑う。その笑顔を見た瞬間、私の胸の鼓動が高まった。な、なに?この胸の高まり…ドキドキが止まらない…
〔どうしたんだい?フェイト〕
〔!!びっくりした。脅かさないでよアルフ!〕
〔ごめんごめん。…で?どうしたんだい?〕
〔何でもないよアルフ〕
〔そうかい?だってフェイトの〔なんでもないったら!〕…そ、そう。わかったよ〕
もぅ〜…アルフは心配性なんだから。けど、アルフのおかげで胸の高まりが消えたよ。ちょうどその時、夕飯ができた。
リビングのテーブルには食べ物がいっぱい。
「さぁ、食べてみて。まずは手を合わせて」
手を合わせる?横に座っているリョウを見るとリョウも手を合わせる。私も慌てて手を合わせる。
「いただきます」
「「「いただきます」」」
そう言って私は丸い食べ物を一口食べる。………美味しい。
「どう?美味しい?」
「あ…はい!とても!」
「そう…よかったわ。これでも料理は自信あるのよ」
本当に美味しい。これはなんだろう?ヒナタさんに聞いてみる。
「それはハンバーグよ。フェイトちゃんは知らない?」
ハンバーグ?これが…私はほとんど栄養食か数年くらい前に食べたシチューなんかしか知らない。
「フェイトちゃん。お母さんから作ってもらった事ないの?」
「ないです。いつもは家庭教師の人が作ってくれましたから」
「そうなの…それじゃあ、いつもはなにを食べてるの?」
「えっと…レトルトを」
あれ?3人の様子がおかしい。顔を俯かせて…
「フェイトちゃん」
「は、はい」
「貴女、料理を覚えましょう!」
「え?」
どういう事なんだろう?別に料理なんて覚える必要は無いと思うんだけど。
「フェイトちゃん。そんな偏った物を食べたら体によくないわ。ちゃんとした食生活をしないと」
「は、はぁ…」
「いいわね?」(ニッコリ)
「は、はい〜!」
こ、怖い…ヒナタさんは笑ってるけど、目が笑っていない。とても怖いよ〜。私だけでなくアルフもリョウもナルトさんも怖がっていた。
私はコクコクと頷く。納得したのか、ヒナタさんはやっといつもの笑顔になった。
「それじゃあ、明日から料理を教えてあげるから家に来てね」
「はい」
ご飯を食べたあと、私とアルフは自分達が泊まる家に戻った。窓から見える夜景の町並みを見下ろす。
「良い人達だったね」
人型になったアルフがそう言ってきた。うん、とても温かくて良い人達だった。けど…私達にはやるべき事がある。
母さんに頼まれた事、ジュエルシードを集める事を!