番外編
□予告編 創造神の誕生 〜ISな外伝〜
2ページ/4ページ
「い、一夏…?」
「ど、どうしたのいっくん。なんか目が据わって怖いよ…」
そうか。怖いか。なら…これからの質問でもっと怖がってもらおうか。
「まずは束姉から。テレビに映っていた“アレ”は確か束姉が作ったISって奴だったよね」
「うん…よく覚えていたね」
そりゃあ…何度も見せて聞かせてくるからな。いやでも覚えちまうわ。まあ、それはどうでもいい。
「なんであんな事をしたんだ?ミサイルが日本に撃つように全世界のシステムを弄ったのは束姉だろ?」
「そうだよ〜。よく気付いたね」
「身内がいたらいやでも気付くわ!」
あのISを装着してんのは我が姉だからな。それに全世界のシステムをハッキングなんかできるのはこの天才にして天災の束姉しかいないだろ!
「それで束姉。なんでこんな事をしたのかな?一応弁解を聞いてやるからさ」
束姉の口元が引きつっている。何故なのかな〜?
「だ、だって〜。頭の悪くてどうしようもない自称上のお偉いさんどもがこの天才束さんの開発して作ったISを認めてくれなかったんだもん」
「だもん、じゃありません。それでISの実用性を示すためにあんな事をしたんだな」
「そだよ〜♪」
「…アンタはバカですか!」
バカも大バカだ。ISの実用性を示すためにあんな事をするのか!もっと違うやり方があっただろうが!
「バカって酷いよ〜」
「バカにバカと言ってなにが悪いか!あのな!普通はそんなあっさり信用されるわけないだろ!車も飛行機とかも最初はすぐに採用されなかっただろ!数年かけてやっと実用が認められただろ!」
「そんなに束さんは待ってられないよ〜」
「まあ…束姉ならそうだな。だからってあんな事をしますか!ISは宇宙を自由に翔べる事を示すために作ったのだろ?」
「そうだよ」
「やっぱり束姉はバカだったか。だったら宇宙に翔んで宇宙ステーションとかの人と会話やらなんやらすればよかったでしょうが!なのに束姉がやった事は!ただの軍事利用を魅せただけだ!なに考えてあんなバカをやったんだ!」
ここまで言われて束姉と千冬姉はあって気付いたようだ。天才のくせにやる事はバカ丸出しとは!しかもISは空を翔ぶ事より軍兵器的な感じに見られたよ。
「束姉はISを兵器にしたいのか?」
「したくないよ」
「だったらこんなバカな事をすんな!もう手遅れだけどな!」
全く…天才とバカは紙一重と言うのは本当だな。
「次に千冬姉。あのISを装着していたのは千冬姉だよな」
「……よくわかったな」
「わかるわ!束姉の作ったISを装着した事があるのは千冬姉だけだし、なにより姉の剣術を体験してるんだからバレバレだ!」
一番千冬姉の剣を受けてたと思ってんだ。
「それで千冬姉はなんであんな事を堂々とやったのかな?」
「いや、あの、その…束に言われて。一夏を守るためにな」
「気持ちだけで充分だよ。とりあえず2人に言っておきたい事がある」
2人はビクリッと身を縮こまる。覚悟しろよ。今の俺は機嫌が悪いぞ。
「2人ともは揃いも揃って超馬鹿だ!」
「「はぅっ!」」
「アンタら2人は世界になにをしたかわかってるのか!アンタらがやった事は世界を変えたんだ!しかもとばっちりがくるくらいのな!」
「「ヒィッ!」」
「アンタら2人はよかれと思ってやったんだろうが!こっちは迷惑極まりない!まず束姉!アンタのISのおかげでアンタは政府に完全に目を付けられた!しかも家族ごとな!アンタがやった事によって家族、特に箒がどうなると思う!監視を付けられて拘束!最悪、人質だ!」
ここまで言って束姉の顔は青くなる。
「次に千冬姉!アンタはこれで一躍有名だろうけど俺が一番危ないんだ!今は大丈夫かもしれないが、最悪俺も人質扱いされる!」
「そ、そんな…」
近い未来確実にな。もうしてしまったものはしょうがない。こうなったらなるようになるしかない。その間、千冬姉と束姉はしばらくショックになった。
「まあ、もうなっちまったなら仕方ない。とりあえず言えることは…束姉。アンタなら必ず隠れるだろう。だが、必ず箒には連絡を入れる事。後謝る事。そうしないと嫌われるからな」
「ガァーンッ!!箒ちゃんに嫌われるのはいや!」
「だったら謝って嫌われないようにな。次に千冬姉」
「う、うむ!」
「とりあえずこのように束姉の口車に乗らないように!」
「…それだけか?」
「それだけ」
「ヒドいよいっくん!」