短編
□写真
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私は生まれつき
目が見えなくて、
身体が弱い。
人の手助けがないと何も出来ない私は、毎日病院のベッドの上で横になって生活する日々だけだった。
だけど、彼が来てくれてから灰色だった毎日が、色鮮やかに染められていったんだ…
トントンッ
扉をたたく音が鳴る。
「どうぞ」
期待と緊張の気持ちになりながら返事をする。
ル「ようナマエ!」
病室に元気よく彼が入ってくる。
彼の名前はルフィ君。
ずっと前、部活動で足を骨折したらしくここの病院に入院していた。そしてたまたま病室が私と同じで、それから知り合いになった。
私はルフィ君の面白い話を毎日聞くのが楽しかった。
それから彼は退院してしまったけど、その後はずっとこうして毎日私のお見舞いをしに来てくれる。
狭い病室で暮らして何も見えない私にとって彼は太陽のように輝いている存在なのだ。
「やっぱりルフィ君だった。」
ル「なんだナマエ?おれが入ってくるタイミングがわかるのか!?」
「うん。目が見えないその分、他の器官が働いているからルフィ君の足音ですぐにわかるよ?」
ル「そうなのかぁー!スゴいなナマエは!!」
明るい声でルフィ君が言う。
ルフィ君はその後自分の学校生活について話をしてくれた。
ルフィ君といると笑いが絶えない。
楽しくて嬉しい。
そう思っていると、
ルフィ君が
ル「っあ!!」
と声をあげて
何やらカバンの中をごそごそするような音が聞こえた。