短編
□生クリームと淡い恋心を混ぜる
1ページ/1ページ
「まったくルフィったら、一体ドコ行ったの!?」
ある昼下がり。
いつもより少し怒った表情をしていたナマエは、ただひたすらルフィを探し続けていた。
ナ「あらナマエ?愛しのダーリンがいなくなって寂しくなっちゃった訳?」
ナミが船上パラソルの下で優雅に紅茶を飲みながらナマエをからかう。
「ナミ!そんなんじゃ無くて、私はルフィに怒っているの!!」
ナミに近づき腰に両手を置いて頬を膨らませてみると、やれやれといった感じでナミは私を見てきた。
ナ「…ほら!言われなくてもアンタのダーリンはそこにいるわよ。」
ナミが顎でその方向を指すとそこにはキッチンから出てきたルフィの姿が。
「いたあああああああああああああ!!」
ビシッとナマエがルフィに向かって指差しするとそのままズイズイとルフィの方まで近づいた。
ル「ん?何だァナマエ?」
「何だァ?じゃない!!」
へらへら笑っているルフィを見て、ナマエはまた一段階怒りがこみ上げてきた。
サ「どうしたんだい?ナマエちゃん、そんな怒った顔して」
サンジがナミに頼まれていた紅茶のおかわりを持ちながら聞いてきた。
「サンジ君聞いて!あのね、ルフィったら私の3時のおやつのデザート食べちゃったの!!」
サ「んなぁ〜にぃ〜!?」
どうやらサンジ君もレディの為に作ったデザートを食べられたのがよっぽど悔しかったらしく、頭には怒りマークが見えていた。
サ「おい、クソゴム!ナマエちゃんの為に作った愛情たっぷりデザート。食ったのか?」
ル「……いや!おれは…」
冷や汗をだらだらかきながらルフィは口ごもる。
「楽しみだったのになぁ……サンジ君のショートケーキ。」
ル「すんませんでした。」
ナ「謝んのはやっ!」
ル「だってすんげぇ美味そうだったんだもん。それにナマエずっと置きっぱなしだったし。」
「それは手が放せなかったから後で食べようとしたの!大体ルフィは何時も私のおやつ食べてばっかりでしょ!」
正座させられたルフィを見てナマエは言う。
ナ「んまぁ、今回は許してあげなさいよ。次やったら罰金取ればいいじゃない」
ル「げっ!」
「だって、ナミ〜!」
まだ何か言いたそうなナマエを置いてナミは元の場所に戻る。
サ「おれは許してないからなクソゴム!待っててね〜ナマエちゅわぁ〜ん今美味しいショートケーキを作っ………」
ナ「サンジく〜ん!紅茶のおかわりまだかしら〜?」
サ「っはぁ〜い!ただいまっ!!」
ナミのサンジコールによって、ナミの所へ行ってしまったサンジ。
取り残されたルフィとナマエ。
ル「……なァナマエ。」
「……………………。」
ル「………ナマエ。」
「………ルフィの食いしん坊。絶対、許さないんだから。」
ぷいっとルフィからそっぽを向けて話すと、ルフィがその後を追うかのように私の顔へ自ら顔を近づけ、そして、ナマエの頬に両手を添えてキスをしてきた。
「んんんっ!?」
突然のルフィからのキスに驚くが、口角を変えるキスに段々力がゆっくりと抜けてく。
そうして唇を離すと、
そこには満足そうな笑みを浮かべた船長がいた。
ル「ナマエ、可愛い…!照れてるな!!」
さっきのキスで真っ赤になったナマエを見ながらルフィは言った。
「ばっ///…ルフィのバカ!////」
ル「でも、甘かっただろ?…………ごめんなナマエのケーキ食っちまって」
ちょびっとだけしょんぼりした表情を見せたルフィにナマエは愛しさを心の底から感じた。
「もういいよ、ルフィ。…………そんなことより………」
そっと彼の首に自分の両腕を絡ませ、彼の耳元で小さく囁いた。
「おかわり…ちょうだい?」
きっと隠し味はキミの唇なんだ。
END