短編

□好きだと伝える唇
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ル「それで、ナマエの世界にはそんなモンがあったのかァ!」




珍しいものを見るようにルフィがナマエの隣に立ってそれを見る。



ルフィが覗いているのはスケッチブック。
ナマエがウソップから借りたものだった。




そこに描かれていたのは“携帯電話”。
現実からこの世界に突然やってきたナマエは
麦わら海賊団にお世話になって長い月日が経つ。
最初は知りもしない世界に来て不安だらけだったが、徐々に仲間との距離を縮められる存在となった。



そして今日、
船長さんの質問で


ル「ナマエの世界にはどんなおんもしれェモンがあったんだ?」



と興味津々に聞かれたので、ルフィにも分かりやすく理解してもらう為にイラスト付きで説明している所だった。






「そうなの!お話したい時には何時でも電話っていうので声を聞けるし、あとはメール機能かな…?」



ル「その“めーる”って何だァ?」



「ええっと、簡単に言うと手紙の役割を果たす機能で文字をここに入力して、その場所にいなくても、遠くにいる人に伝えたいことを伝えることが出来るの!」




ル「ほ――――!!」




「なかなか電話で話すことが苦手な人が使ったり、何か謝りたいことがある人とか…好きな人に告白する時に使ったりするのかな?」




スケッチブックを持っていない手で指折り数え、考えながら言っていると、
急にルフィがナマエの持っていたスケッチブックを勝手に取り上げててしまった。




「あ!ルフィ返して!!それはウソップに借りた大事な…」




急いでルフィからそれを取り返そうとしたが、
虚しくルフィのゴムゴムの実の能力によってスケッチブックは遠くに置かれてしまった。



ル「使えそうなモンだけど、おれには必要ねェな」



そう言ってニヤリと笑った瞬間、気づいたらポスっとルフィの腕の中に自分がいた。




ル「ナマエ、大好きだっ!!」




抱きしめられ、明るい声で言われて思わず心臓が高鳴る。




ル「ほらな、すぐ伝わっただろ?」



当たり前のようにサラリと答えると、そのストレートな言葉にナマエは耳まで顔を染めながらコクンとぎこちなく頷く。





私のそばにはいつも大好きなアナタがいる。
アナタの発する声が好き、言葉が好き。
こうやって大好きなルフィに触れて、お互いの気持ちを心から感じることが出来るのが充分すぎるほどにナマエは幸せだった。



優しい彼の中でナマエは微笑んで口を開く。



「私もね………」





手紙や電話やメール
なんかじゃダメなんだ。




「ルフィが好き!!」





この思い、唇にのせて。




END




ルフィは絶対
大胆直接告白タイプ(笑)



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