魔法少女リリカルなのは〜Extreme Heart〜

□第一話
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少女は孤独だった
少女の家族は仲のいい家族だった。
だがそれは、父親が怪我をし、生死の境をさまよった境に崩れ始めた
その結果、母親が父親の分まで働くこととなり少女にかまえなくなった
姉も必死な母親を手伝うようになり、少女と遊ばなくなった
そして兄は、道場で必死な練習をするようになり、少女は声を掛けられなくなった





そして少女から






本当の笑顔が消えた







「・・・・・・・・」

そして少女は一人、公園のブランコにまたがり、ただ力なく揺れていた。
周りには、誰もおらず、ただ時間だけが過ぎてゆく。
それが、今の彼女には辛く感じた。
でも涙は出ない。
いや・・・・・出なかったと言うほうが正解か。
少女はもう、孤独に慣れてしまったから・・・

「・・・・・・はは」

だからこんな乾ききった笑みさえ浮かべてしまう。
とても5歳の少女からでる笑みではない。

でも、もうそれすらどうでもよかった。
少女はもう何も感じなくなっていた。

(・・・・もう疲れたよ・・・)

ずっと一人はもう疲れたよ・・・

少女は周りを見て、誰もいないことを確認する。

「・・・・・ごめんなさい。お父さん、お母さん、お姉ちゃん、お兄ちゃん。」

そう呟くと少女は、ポケットから家からこっそり持ち出したカッターナイフを取り出し、刃を出した後、自らの首筋に向ける。

後はほんの少し力を込めるだけでいい・・・・・



もう楽になりたい・・・・・



死にたい・・・・



みんな・・・・・・





さようなら






そう思った少女は目を閉じて





手に力を込めた








でも・・・・・・

刃は動かなかった

「・・・・・・・え?」

少女はゆっくりと目をあける。

そして眼に映ったのは


ナイフを持った自分の手を掴んでいる青年の姿画見えた。
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