魔法少女リリカルなのは〜Extreme Heart〜

□第二話
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三年後

無人世界 アラクネア

「それでレネさん。いつになったらこっちに来るんですか?」

「まだ・・・・もう少し掛かりそうだな。片づけなきゃならん事がまだ結構残ってるから、多分あと半年ぐらいかな。」

「そんなに待てませんよ。」

そう言いながら、高町なのははため息をついた。
今、相手と普通に話しているが、なのはがいるのは標高がエベレストに匹敵する山の頂上である。
その場所でなのはは、正座のまま目を閉じ、右手を前に出したまま動かずにいた。
その右手には、米粒くらいの魔力弾を精製したまま、それを維持している。

気温はマイナス40℃を下回り、辺りは大雪で吹きあられており、視界はあまり良くない状況。

そんな中で、なのはは平然とした様子で会話を続ける。

「そんなにそっちは厳しいんですか?」

「いや、それほどでもないんだが。簡単にいえば内紛が結構多くてな、その処理に追われてる所為だよ。」

「それなら仕方ありませんね。」

そう言うと、なのはは目を開け、目の前に視線を移す。
そこには

「ぐるうううるるるるるるう」

体長は4メートルはあろう大熊がなのはを睨み付けていた。

「じゃあ、またあとで掛け直しますね、レネさん。」

「わかった。」

そう言うと、会話が切れる。

「さてと・・・」

そう呟き、なのはは立ち上がる。
マイナス40℃の世界であるのにも関わらず、なのはには何ともないかのように準備運動を始める。

「ぐわああああああああああああああああああああああ!」

だが、それをチャンスと思ったのか、大熊は彼女に襲いかかる。
それに対しなのはは、

「はっ!」

足の力を込め、一気に地面に向けて解き放つ

ドンッ!!

轟音が響き、彼女は一気に5メートル近く飛び、大熊の攻撃をよけ、大熊の後ろに着地する。


そのまま、回転しながら大熊にむけて後ろ蹴りを放った。

普通なら少女ごとき蹴り等、大熊には大したダメージは見込めない。
そう普通ならばの話だが・・・・・

ドゴオオオオン!

だが、なのはは普通の少女ではなかった。
なのはの放った後ろ蹴りは、大熊の足を直撃し、そのまま4メートルの巨体を一回転させた。

「ギャウッ!」

大熊は頭から地面に落下し、奇妙な声を出して、動かなくなった。

それを確認するとなのはは警戒を解き、大熊に近づき、様子を確認する。
どうやら頭を打って、気絶しているようだった。

「ごめんね・・・・でもね、私も死ぬわけにはいかないんだ。」

そう言いつつ、なのはは大熊に治癒術をかける。
決してそれほどの効果はないが、少しでも安らげる事が出来るならと、彼女は治癒術をかける。

ある程度それを終えると、なのはは立ち上がり、その場をあとにした。
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