魔法少女リリカルなのは〜Extreme Heart〜

□第三話
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地球 海鳴市 翠屋

「ありがとうございました。」

店員がそう言うとともに、ドアが閉まる。

「ふぅ・・・」

「桃子、少しは休め。ろくに休んでないのだろう。」

「いいのよ志郎さん。これぐらい平気よ・・・」

そう言うと、この店「翠屋」の店主の妻、高町桃子は再びキッチンへと入って行った。
それを見て、桃子の夫、高町志郎は深いため息をついた。

「もう三年にもなるのか・・・なのはがいなくなって。」

テーブルを拭きながら、志郎はそうぽつりを呟いた。


あの日、なのはがいなくなった日の事を思い出す。
志郎はその時、大怪我のため意識がなく後からその事を聞いた。
その時の桃子の顔を志郎は今でも鮮明に覚えている。

あの時の桃子は、悲しみのあまり心が押しつぶされようとしていた。
桃子の近くにいた美由紀や恭也も何も言えず、ただそこに立っていることしかできなかった。

その後志郎が目覚めて、ようやく事態が判明し始めた。

恭也が家に帰った時には、既になのははいなかったという。
家族総出で家中探しまわって、ようやくテーブルにあった手紙に気付き、事の真相を知ることができた。

手紙にはこう書いてあった。
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