魔法少女リリカルなのは〜Extreme Heart〜

□第四話
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「ねぇお母さん・・・・そろそろ離れてくれないかな?」

「いや!もう離さない。」

そう言って桃子はなのはに抱きついたまま離れようとしない。

「にゃはは、どうしよう?」

「あきらめなさい。元はと言えば、なのはがいなくなったのが原因なんだから、少しは私たちの気持ちも考えなさい。」

「うん、わかってるよお姉ちゃん。」

美由紀にそう言われ、なのはは未だ抱きついている桃子の見て微笑む。



「なのは・・・・」

後ろから兄、恭也に声をかけられ、なのははゆっくりと振り返る。
そこには、かつて周りが見えず、ただひたすら武技を励んでいた兄の姿はなく、困惑した顔のした恭也がいた。

「お兄ちゃん。」

「なのは・・・・俺は・・」

恭也が何かを言おうしたその時、なのはの人差し指がそっと恭也の口をふさいだ。

「大丈夫だよ。私、お兄ちゃんが言いたい事はわかってるつもりだから。」

おそらく恭也が言おうとしたのは、自分にたいする謝罪だ。

でも、なのは自身、別に謝られる事などないと思っている。
思い返せば、あの頃の私たちは全員、余裕など全くなかったのだ。
だから、謝るとしたら、勝手に死のうとした挙句、家を出て行った自分の方が謝るべきだ。

「私は、家族のみんなが元気なら、それでいいから。」

「そうか・・・」

恭也はそう言うと、笑顔をなのはに向ける。

「お兄ちゃんのそういう顔見たの、何年ぶりかな?」

「なのはが幼い時以来だな。」

そっかとなのはは言うと二人は笑いあった。
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