魔法少女リリカルなのは〜祝福の風の精霊と時の旅人〜

□第六話
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祝福の風の精霊リインフォースが夜天の主八神はやてとの邂逅があった頃

リインと分かれたカイトは、一人ぶらぶらと歩いていた。

「さてと・・・・・此処だな。」


カイトはそう言うと、とあるビルの前で立ち止まった。

そこは、はやての家から、少し離れた所にある何の変哲もないビルだ。

「流石に、まだあちらは気づいてないか。」

ビルの屋上を見上げながら、カイトは呟いた。







カイトがここに来たのには理由があった。

実は、リインから、はやてを監視している奴らがいる事を聞かされていた。

そして今、自分達がはやての家に着たときも、何処からか、何らかの視線を感じていたのだ。
しかし、リインは自分の願いである。はやてとの再会を望んでいる。

なら、奴らはその邪魔をしようとするだろう。

更に、リインの姿を知っている者なら、尚更邪魔させる訳にはいかない。


故に、カイトははやてをリインに任せ、此処にきた。

自分の相方の邪魔は絶対にさせない。

それが何人であろうともだ。


「じゃあ、始めるか。」


そう言うと、カイトは目を閉じる。

それと、同時に彼の姿が変わり始める。

黒かった髪は、灼熱を象徴する赤色に変わる。

体には、先ほどまでなかった黒錆びたコートを羽織る。

そしてカイトは閉じていた目を開ける。







その目は、透き通った蒼色ではなく









紅連のごとき、紅き目に変わっていた。

「・・・・・よし。」


変わった後、カイトは体を動かしたり、拳を握ったりして、動作を確認する。

(この姿になるのは、何億年ぶりかな・・・)

カイトはそんな事を考えながら、次の行動に移した。

右人差し指を上に上げ、ぼそりと呟いた。

「・・・・封絶・・」








その瞬間、ビルの周りを、真紅の球体が覆い尽くした。
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