魔法少女リリカルなのは〜祝福の風の精霊と時の旅人〜

□第七話
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「はじめましてカイトさん。うちは八神はやてといいます。」

『あぁ、こちらこそな、はやてちゃん。』

そう言って、俺とはやてちゃんは握手を交わした。

俺が八神家に戻ると、玄関前でリインとはやてちゃんが待っていた。

はやてちゃんはリインから俺の話を聞いた後、俺にお礼を言ってきた。

「うちの家族を助けてくれてありがとうございます。」

そう言うはやてちゃんに、俺は気にしないでと言っておいた。

だが、はやてちゃんの次の言葉に俺は耳を疑った。

「あのー。もし出来ればですけど、此処に住んでいただけませんか?」


はやてちゃんはそう俺に頼んできた。

『・・・どうしてそうなるんだ?』

俺ははやてちゃんに聞こえないように、小さく呟いた。


話を聞くと、なんでも、はやてちゃんが俺に迷惑をかけたと思ったからだそうだ。

まぁ、はやてちゃんはリインから聞いていた通り、家族という存在を大切にしているのはわかった。

そしてリインフォースは、かつてはやてちゃんと共にいたのだから、そう考えてもおかしくはないが。



『はやてちゃんの申し出はありがたいけど、やめとくよ。』

だから俺は最初、その申し出を断った。



昔、一緒にいたリインならまだしも、全くの他人の俺に頼んでくるのはどうかと思う。


「うちは、リインフォースを助けてくれたカイトさんにお礼がしたいんや。」

だが、はやてちゃんもなかなか食い下がらない。


『いや、だからといってもなぁ・・・』

頭を掻きながら、俺はそう言った。


「でも・・・」


『じゃあ、はやてちゃんはどうして俺に住んでほしいのかな?』

俺ははやてちゃんに聞きたかった事を聞いてみた。

どうして、あかの他人の俺に住んでほしいのだろうか。

「それわな・・・」

『・・・・・・』

はやてちゃんが答え始める。

「うちな・・・・ずっと一人やったんや。両親がいなくなってから、家に居ても、どこに居ても一人やった。やから・・・・もう・・一人は嫌なんや。」

(主・・・・)

はやては俯いて、肩を震わしながら呟いた。

それを見て、リインは心配そうにはやてを見つめる。

「リインフォースが一緒にいてくれるから、もう一人じゃないけど、それでもうちは、カイトさんにも一緒にいてほしいんです!お願いや!!」

はやてはカイトに頭を下げて頼み込んだ。

『・・・・・・・・』

カイトは、はやてをじっと見ている。
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