魔法少女リリカルなのは〜Extreme Heart〜

□第六話
2ページ/5ページ



高町家の朝は早い
喫茶店であるがゆえ、両親が起きるのは大体5時ごろから起床する。

「うーん・・・・時間ね」

今日もいつものように、桃子は起床する。
昨日、ようやくなのはに会えた事で、心にもゆとりがもてた所為か、体はいつも以上に軽かった。

「準備・・・始めないとね」

そう呟くと、となりで寝ている志郎を起こさないようにベットから降り、寝室をあとにする。

階段をおりリビングへ歩いて行く。


「あら?」

リビングが妙に明るい
まだ、朝日が昇っていないのにも関わらずに
良く見ると、電気が灯っているためだと気づくのに、桃子は数分を要した。

「誰か起きているのかしら・・・・」

そう思って、桃子はリビングの扉を開けた。

まず目に飛び込んできたのは、目の前にテーブルだ。
テーブルには、誰かが作ったであろう、サラダ、トースト、コーヒーなどの朝食が人数分準備されていた。

「一体誰が・・・・」

そう言ったときだった。

「あぁ・・・・おはようお母さん。」

台所からなのはがヒョコっと顔を出した。

「なのは?!これ・・・全部あなたが?」

「うん・・・・ほんとはもっとこった物作るつもりだったんだけど、時間がなかったから、これ位しか出来なかった。」

そう言いながら、なのはが台所から出てくる。
なのはの恰好は先ほどのジャージ姿に、桃子が使っているエプロンを着ていた。

「これじゃあ・・・私のすることはないわね・・・」

桃子が苦笑しながらそう言った。

「そんなことないよ。」

それを聞いたなのはは、ゆっくりと桃子に近づき彼女を抱きしめる。

「なのは・・・」

「私の所為で、お母さんを、みんなを苦しめてしまってごめんなさい。でもこれからは、ちゃんとみんなの傍にいるし、何かあっても必ずみんなに話すよ。」

そう言われ、桃子の眼から涙が溢れる。
昔は、子が親に抱きつくような抱擁だったが、今では背が同じぐらいになっている。
それがわが子の成長だと思うと、堪らなくうれしくて仕方がない。

「さぁ・・・・ちゃちゃっと終わらせましょうか・・・」

桃子は涙をぬぐって、なのはに微笑む。

「うん!!」

なのははそう言うと、残っていた朝食の準備を始めたのだった。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ