ヒロトのライユウ学園冒険日誌!(長編小説)

□第4話〜燃える闘志! ブイゼル、根性バトルでゲットだぜ!!
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「ムク〜…」

たいして広くない部屋のなかを飛び回るムックル。

今俺は良いポフィンの作り方、ポフィンの味とポケモンのせいかくの関係について勉強している。

なんせ、ポフィンはポケモンの調子を整えることが出来るのだ。

ちゃんとしたポフィンを作ってあげなきゃな……。

「ムク〜?」

俺のやってる事が気になるのか、ムックルが机に降りてきた。

「今ポケモンフーズとポフィンの調合を勉強してるんだよ」

こういうのはブリーダーやコーディネーターには必須だけど、トレーナーには正直必要ない内容のものだと思う。

しかし、やっぱり市販のものより自分で作って食べてもらいたい。

説明はするがやはりわからないらしく、首を傾げるムックルが可愛くて、つい抱きしめてしまった。

けれどムックルは嫌がるどころか喜びの声を上げ擦りよってきたから、またも嬉しくなって抱きしめる力を強めてしまった。

「いでっ!?」

頭に鈍い痛みが走る。

一体何なんだよと思い、後ろに振り向いてみると。

ツタージャが、ジト目で俺を睨んでいた。

いや、ツタージャは元からジト目だが……あからさまに怒ってますと意思表示してるのがよくわかる。

「ツタージャ、何怒ってるんだ?」

「…………」

ぷいとそっぽを向かれてしまった。

……何なんだ、本当に。

「………?」

ツタージャの不機嫌さに首を傾げていると、インターホンが鳴り響いた。

そう思っていると、何度も何度も鳴り響いたので急いで出る。

「おわっ!?」

瞬間、部屋の中に誰かが凄い勢いで入り、扉を閉めてしまった。

「………コウキ?」

すぐさま確認すると、入ってきたのはコウキだった。

しかし、いつものクールな雰囲気などなく、なにやら慌てているというか……焦ってる?

「おい、コウ――」

「静かにしてろ!」

鬼気迫る表情で言われ、おもわず口ごもってしまう。

と、外から聞き慣れた声が聞こえてきた。

「コウキってば、どこにいっちゃったのでしょう……」

(………モモカ?)

言葉の内容からして、コウキを捜しているようだけど……。

「せっかく『媚薬入りのお菓子を作ってコウキに食べさせ、既成事実を作ろう作戦』を決行したのに……肝心のコウキが見つからなければ意味ないです……」

「…………」

媚薬って、何だろうな。だけど何故だろう、それを絶対にコウキに食べさせてはならないと本能で理解できた。

……やがて、モモカの気配が無くなってから鍵を閉める。

「………すまない」

「いや、いいよ。なんとなくだけど今のモモカにお前を会わせちゃいけないような気がしたから」

助かる、そう呟いたコウキの表情は、なんだか哀愁を誘った。

「でもコウキ、お前ってモモカのことが嫌いなのか?」
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