Angel Beats! 〜イレギュラーな俺〜

□第1話
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 『死んでたまるか戦線』…。
 ネーミングセンス悪いな…。

 こう、もっと何かあるだろう。
 英語を使うとか。
 
 それはともかく、戦線、って言葉は気になるな。
 彼女が来ているのは、制服。
 ここは、学校。

 いったい、何と戦うんだよ、コイツは。
 頭、大丈夫か?と思っていると、彼女がスコープを覗いたまま、喋り始めた。

 「突然で悪いけど、入隊してくれない?」

 「入隊?」

 横にいる少年が呟く。
 
 「ここにいるってことは、貴方、死んだのよ」

 コイツ、頭は切れそうに見えるけど、本当はバカだな。
 もっと言い方があるだろ。
 はっきり言って信じられないが、俺の記憶には、腹を押さえて意識を失った記憶がある。
 多分、そこで死んだのだろう。

 それに対して、横の奴は、戸惑っているようだ。

 「ここは、死んだ後の世界。何もしなかったら消されるわよ」

 消されるのか?…誰にだ?
 横の奴も疑問に思ったようで、彼女に訊く。

 「そりゃあ、神様に、でしょ」

 「じゃあ、入隊っていうのは…?」

 「『死んでたまるか戦線』に、よ。まあ、部隊名はよく変わるのだけれど」
 
 すると、女の子は『死んだ世界戦線』やら、なんやら色々と戦線の名前を言っていく。
 はっきり言ってこんな物に興味はない。

 「それは…、本物の銃?」

 横の奴が訊く。

 「これは本物だ」

 口が勝手に動いていた。
 
 「貴方、偽物か本物かが分かるの?」

 彼女が振り返って俺に訊く。
 どうして分かったんだ?
 生前はガンマニア?
 …ガンマニアと言っても日本じゃ銃に触れないだろう。

 「何となく、感覚だ」

 「そう、確かに本物よ。そして、あるがままを受け止め、戦うのよ」

 「「何と?」」

 声が重なる。
 でもこんなところで戦ってどうする?
 
 さっき、消される、とか言っていたから、消されないように…か?

 「あれよ」

 彼女が指差したのは、運動場。
 そこにいたのは、女の子だった。
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