Rewrite The Transcendental

□第四章
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 「CMを作ろう!」

 「はい…?」

 瑚太郎が突然言いだした言葉に、ちはやが惚けた声をこぼし、他のメンバーも(一部、無視しているが)説明をようとする。

 「なんだ、唐突に…」

 「簡単に言うと、ネタが少ない。投書も集めているが少ない!そこで投書を増やすために作って至る所に貼るんだ」

 「CMって、ネットに動画を上げるのか?所謂、サークル活動みたいな」

 CM、という言葉にテレビのコマーシャルを連想した零夜が確認をする。
 
 「そうだ。叩かれても、面白かったら結果オーライだ」

 「悪くないと思うよ」

 「会長。カメラありますか」

 「ええ。あるわよ」

 特に反対意見も出ず、朱音からカメラを借りる瑚太郎。
 
 「それじゃあ、まずはテストだ。小鳥、セクシー映像」

 「オーケー。………イヤーン」

 「次、静流」

 「………イヤーン」

 まるで予感していたかのようにポーズを決める小鳥と、抑揚の無い声で対応する静流。二人の物怖じしない態度に零夜は、心の中で賞賛の拍手を送る。

 「委員長」

 「イ、イヤ………って、何をさせるんだー!」

 場の流れというものに乗ってルチアにカメラを向ける瑚太郎だが、残念なことに流れに乗れず、瑚太郎をたこ殴りにするルチア。

 「カ、カメラだけは………」

 瑚太郎は最後の力を振り絞って零夜にカメラを渡した。零夜は、自分の手に渡ったカメラのレンズをルチアに向け、撮影を続ける。画面には、瑚太郎を殴るルチアが映されており、何ともバイオレンスな映像が出来上がっていた。

 「凄い映像ね…」

 「け、消してくれ!」

 「いや…。これは、一部の男性陣からバカ受けするぞ………」

 しみじみと呟く零夜。
 横では、ちはやと静流が、何故受けるのか、ということを真剣に考えていた。

 「それに、別に消す意味がない。これを編集すれば、使えるぞ。………音MADとか」

 「だって、………は、はじゅかしいだろ………」

 「………………消すか」

 「あら、そう」

 やや長い沈黙が場を包んだところで、零夜がボソッと呟き、朱音にカメラを渡した。そして、朱音は躊躇うことなく消した。

 「あ〜。消しちゃったんですか」

 瑚太郎も残念そうにするが、あまりこだわりは無かったらしく、次の映像の制作に取り組むことにした。一方、遊びと思っていた朱音や零夜は内心、以外だ、と思っていた。

 「次はあいつが必要だ」

 






 「で、何で俺がこんな所に呼ばれるんだ」

 オカ研の部室に、吉野が登場する。
 いつもの不良のような面構えは健在である。

 「良いか?今からこのカメラに向かって、『青春ってなんやーーーー!』って叫んでくれ」

 「はぁ?何で俺がそんなことやらないといけないんだ」

 心底迷惑そうな顔で断る吉野。
 そこに現れたのは静流だった…!

 






 「セイシュンって……………、ナンヤーーーーーーーー!!!」

 「おk!」

 「チクショーーーーーー!」

 静流の不思議な力によって何故かやってくれた吉野。
 叫んだ後、彼はまた叫びながら部室を出て行った。
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