Rewrite The Transcendental
□第一章
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ある夜、零夜は森に来ていた。
森では、零夜が所属するガーディアンの対抗組織、ガイアの魔物の対峙のためによく行くことになるが今日は私用でここにいる。
「本当、ここが一番落ち着くな」
小さく呟きながら、空を見上げる。
ここ風祭市に配属され、ここに入った時、そう感じたのだ。
そのとき、数匹の魔物の気配を感じ取った。
「ハウンドタイプ…。5匹ってところか…」
面倒だが、すでにあちらは零夜に気付いている。
街に逃げるのも一つの手だが、ここは応戦することにした。
羽織っているロングコートから刃渡り15センチほどのナイフを一本取り出し、魔物の姿が現れるのを待つ。
すると、後ろの草むらが揺れ、黒いハウンドタイプの魔物が飛び掛かってきた。
「一匹目」
だが、慌てる様子もなく、振り返りざまにナイフで斬りつける。
避けることが出来なかった魔物は首元を深く斬られ、塵になって散っていった。
今度は左右。
挟み撃ちにするつもりだろう。
飛び掛かってくるタイミングを考えながら、少し態勢を低くする。
すると、左右同時に魔物が飛び掛かってくる。
それと同時に右に横っ飛び、片方の魔物を倒した。
さらに、ナイフを投擲した。
魔物は避けることができずに、倒れた。
「2匹目、3匹目…。あと2匹」
また後方からの気配で零夜は態勢を崩さずに後ろへナイフを投擲する。
「4匹目」
呟きながらナイフを手に取り、跳躍して木に登る。
あと1匹なので、戦闘を早く終わらしたい、という零夜の意思のあらわれだ。
「見つけた」
そして、立っている場所にある木を蹴って、魔物が振り返る間も与えず、斬りつける。
「5匹目。終了」
(これぐらいで良いか…)
敵意や魔物の気配も感じられないため、ナイフを仕舞い、森を出ることにした。
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