Angel Beats! 〜イレギュラーな俺〜
□第6話
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直井達に反省室へ連行され、その翌日に解放されたゆり達。だが、その中に千崎の姿は無かった。
昨夜の連行は唐突なものだった。
さらに、反省室の硬い床で寝ることになり、メンバーはそれぞれ愚痴をこぼしたり、直井を返り討ちにしてやる、という声が上がっていた。
「ダメよ、一般生徒なんだから。…にしても変ね」
「何がだ」
野田が苛つきを押さえるように訊く。
「私たちにこんな形で反省を強いる一般生徒なんて、今までいなかった…」
「天使が抑止力になってたんじゃないか?」
「そうかも…」
そうなると、天使が直井達の強制連行を押さえ、口頭注意を繰り返してきた、という事実が浮かび上がる。と言っても、最終的には相手側の武力行使に対抗しているが。
戦線本部に戻ると、これからの行動についての話となった。
「これからは、どうしますか?」
「そうね…。各自、好き勝手に授業を受けて。誤って、消えるファクターになりかねない行動は控えること」
簡単に言えば、不良のまねごとと言ってもおかしくはないだろう。
「そういえば、千崎はどこ行ったんだ?たしか、昨日のオペレーションには参加していたけど…、どこ行ったんだ?」
ここで、音無が千崎をあまり見ていないことに気付く。
「彼なら、昨日の夜に屋上に居たわよ。多分、そこから動いてないんでしょ」
昨日のやりとりを思い出しながらゆりが言った。
やや考え込むような表情になっていた彼女を見て、メンバーらは不思議に思っていた。
場所は変わって、屋上。
今はまだ午前中だが、それに構わず千崎は屋上の手すりにもたれ掛かっていた。
さらに、座り込んで空を見上げて、上の空のようである。
すると、屋上のドアが音を上げながら、開きだした。
咄嗟に屋上の影に逃げ込み、出てきた人物を窺った。
「わ、悪かった、俺が失敗したからだ!」
「お前のような奴は神である僕には必要ない」
現れたのは、見たことのない人物と直井。
おそらく、一般生徒だろう。
手をポケットに入れ、一般生徒を蹴り飛ばすと、直井は彼を踏むように蹴り始めた。
それを視界に入れることが出来た千崎はあることに気が付いた。