Angel Beats! 〜イレギュラーな俺〜
□第4話
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「どうも!ユイっていいます!」
と、ピースサインを目元でやつピンク髪(ユイ)。
話によると、こいつがガルデモのニューボーカル候補らしいが…。
「良いですか。『Girls Dead Monster』はロックバンドですよ」
「アイドルユニットにでもするつもりか…」
高松、藤巻の順でユイに対しての問題を挙げる。
だが、ユイは自信ありげに、
「いや、ちゃんと歌えますから。どうか、聞いてから判断してください」
と、スタンドマイクを構えて歌う態勢に入った。
そして、ラジカセのスイッチを押して、歌い始めた。
最後にラジカセに録音されたユイの声が聞こえたと同時に、ユイはスタンドマイクの足を蹴った。
すると、180度回転したそれは、天井を突き破り、繋いであったコードが突っ張り、丁度近くのユイの首を絞めた。
ユイは顔を青くしている。
とんだアホだな…。
「うわっ!なにかのパフォーマンスか?」
「デスメタルだったのでしょうか…」
「じ、じぬ゛…」
「いや、事故っぽいぞ…」
何なんだ、コイツは…。
岩沢とは正反対だな…。
「とんだおてんば娘ね…」
「ガルデモのボーカルとしては、如何なものかと…」
「ま、大したこと無いな」
ゆり、高松に続いて俺も、却下と思う。
いや、だってさ、ミーハーなファンの1人じゃないか?こいつ。
「他の者を捜した方が良いな」
「そうすっか」
メンバーで却下が決定した。
すると、床で倒れていたユイが物申しに立ち上がった。
「くぉらぁ!ちゃんと歌えてただろ!これでも岩沢さんのファンで、全曲歌えるんだぞ!」
おい、まだ足が震えてるぞ。
血がちゃんと回っていないんじゃないか?
「心に訴える物が無いんだよな…」
「ありませんね」
「ねぇな」
またしてもメンバーからの却下。
もうあきらめるかと思ったが、ユイは文句を並べ続ける。
いい加減うるさいと思っていると、ユイを無視してゆりが、
「はぁ…、ガルデモがこんなんじゃ、球技大会で大きく動けないじゃない…」
「そんなものがここにはあるのか」
「当たり前じゃない、ここは普通の学校なんだから」
へぇ、球技大会なんてものがあるのか、結構面白そうだな。
「大人しく見学か?」
日向がやれやれ、といった感じで言うが、ゆりは不敵な笑みを見せ、
「勿論、参加するわよ」
「参加したら、消えて無くなるんじゃないのか?」
音無の言うことはもっともだ。
ちゃんと参加するんだから。
「そんなの、ゲリラ参加に決まってるわ。あなた達、メンバーそれぞれでチームを組み、参加しなさい。一般生徒よりも劣る結果を出せば…、死より恐ろしい罰ゲームを与えるわ」
さて、退散しますか。
俺は、少しでも有能なチームにスカウトされるため、イベント待ちとしよう。