Rewrite The Transcendental

□第三章
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 「いや、オカ研か。…オカルトの類にあまり興味無いな」

 優柔不断なのか、ただ期待させただけなのか分からないが、もう一度考え始めた。

 「あなたもオカルトは信じていないのね」

 「そんな会長!オカルトは存在します!」

 瑚太郎が身振り手振りを付けながら熱心に語る。
 熱い良い奴だな、零夜が思っていると、朱音がやや蔑むような目で瑚太郎に言った。

 「あなたが躍起になっているのは胸のためでしょうが」

 「は?」

 「う………」

 意味が分からない、といった様子で声を出す零夜だが、瑚太郎にとっては痛いところを突かれたようだ。

 「だから、胸のため」

 朱音は瑚太郎がやる気になっている理由を既に知っており、その説明を聞いた零夜。

 「お前ってそういうやつだったんだな…」

 冷ややかな視線を浴びせながら、一歩下がる。

 「俺が…、只の変態に……なってる……」

 「そんなことより、貴方。前より、口数が多くなってないかしら」

 「そんなこと……。いや、あれだ。男子三日会わざれば…刮目して見よ…?だ」

 思い出すように言葉を紡ぐ零夜。
 本の受け売りなのだろう。

 「だが…、そんな気がしないこともない…」

 ぼそぼそと呟く零夜をやや訝しげな表情で見る朱音。
 何か思い当たるフシでもあるのかもしれない。

 「…それより、天王寺が隅で落ち込んでいるぞ」
 
 「今の私には必要のないことよ」

 朱音はばっさり瑚太郎を切り捨て、話を進める。

 「オカ研の活動内容は何だ」

 「あら、真面目にやるの?」

 「やるからには…な」

 朱音は少し考え始めた。
 すると、何かしらの案が浮かんだのか、顔を上げた。

 「丁度良いわ。私のゲームの補助や対戦をしてちょうだい。アイテムが楽に手に入るから」

 「ん?オカルトっぽく無いが、まあ良い。ゲームが出来るなら」

 「ちょっと待ったー」「会長さんそれは…」

 瑚太郎と小鳥からツッコミが入る。

 「会長。それどう考えてもおかしい」

 「そうかしら?適材適所。彼には丁度良い役割だと思うけど」

 「ここはオカ研なんじゃ…」

 「小鳥。真面目に活動なんかまだ一回もしていないだろ」

 結局、小鳥と瑚太郎の話になってしまい、この件は保留となった。
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