Rewrite The Transcendental
□第七章
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とある日、クラスの委員長であるルチアは珍しく欠席していた。
これを好機と見た瑚太郎と小鳥。二人はちはやを誘ってお見舞いへ行く事を提案した。
「青野君は誘わなくて良かったの?」
「ああ、零夜な。何か考え事でもあるのか、いつも他のことに集中しているみたいなんだ」
「零夜も、悩み事ですかね…」
瑚太郎の言葉の通り、零夜は上の空の状態が続いている。そんな状態が続いている零夜を瑚太郎はお見舞いには誘っていなかった。
「此花さんの家ってどこなんでしょう?」
「そういや、訊いて無かったな」
「でも、今日先生は出張だったよ?」
「静流に訊くのはな…」
あの時の静流の表情を見て、静流に訊くのを躊躇う瑚太郎。
となると、選択肢は一つとなってしまう。
「じゃあ、零夜に訊けばいいじゃないですか」
「…そうするか」
「なあ、零夜。起きているか?」
「…ああ。何だ」
零夜は今起きたばかりなのか、声が少し枯れている。
だが、目は覚めているのか、特に文句を言わず瑚太郎の方へ振り向いた。
「今日、委員長休みだっただろ?だから、お見舞いに行こうと思ったんだが、家が分からなくてな…」
「…案内すれば良いのか?」
「ありがとな」
零夜は今のちはやとのいざこざや瑚太郎の、言ってしまえばお節介のような物はルチアにとってあまり良い影響を与えるとは思えなかった。
しかし、いくらルチアと友人であるからと言え、それを勝手に決めてしまうのもどうかと思い、案内を了承した。
「このケーキ買っていくか。」
「良いんじゃない?委員長の好みがわからないから、たくさんの種類買っとかないとね」
「零夜はわからないのか?」
「確かに、俺は此花との付き合いは長い方だが、そこまで深い間柄じゃねえよ」
少し離れたところで零夜が腕を組んで店を眺めている。瑚太郎は、まるで自分は関係無い、と言っているようで、少し残念に思った。
「そうか…」
すると、ちはやがあるものを見つける。
「このお花、買っていきませんか?」
この言葉に、零夜の視線が止まる。
ちはやの手にあったのは赤色のコスモス。
「良いんじゃないかな?」
「でもなぁ………。委員長もまだ心の準備ってもんがあるだろうし…」
「大丈夫です。此花さんはただ食わず嫌いしているだけです」
「零夜、どうだ?」
「俺は他人同士の付き合いに口を出すのは好きじゃねえが…。まあ、好きにすれば良い。失敗しようが成功しようが、相手のことを一つ知ったんだろ?なら、それは立派な進歩だ」
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