◆『どこまでキコエル』長編小説◆ 

□* 7 * 初めての再会
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7 初めての再会

 新しくホスト部に入ったハルヒとは同じクラスだったので、すぐに仲良くなれたと思う。
もしかしたら、一方通行で僕ら双子がハルヒを気に入ってるだけなのかもしれないけど、
女の子で仲良くなれたのは、きっとハルヒが初めてだったから、光も僕も無意識にすごく嬉しくて、
それから先に待つ気持ちの変化なんて、この頃はまだ考えられなかった。


 ハルヒは入学した時は、ガリ勉で付き合いの悪い冴えないクラスメイトっていう存在だった。
服装も、指定の制服すら買えない貧乏特待生で、ダサい服とボサボサの髪型に黒縁眼鏡だったし、
性格は今も変わらないけれど、執着がないっていうか、話しかけても「興味ないから」って言って関わりを避けてる感じだった。

そんなハルヒがたまたま間違って入ったホスト部の部屋で、誤って800万円の花瓶を割ってしまった。
その弁償のために女の子なのにそれを隠してホスト部でホストをしないといけなくなった。
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