◆『どこまでキコエル』長編小説◆ 

□* 4 * かわされた敵意
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―ドッターン!!

さっきのリーダーらしき男子生徒が廊下に転がっていた。
どこかをぶつけた様子で痛がっている奴を青ざめて見ている取巻き連中・・・。

― 一体何がどうなっているんだ? 

鈴川を探すと、転がった男子生徒の前に見たことの無い厳しい顔で立っていた。
さっきの音で図書室や他の教室からざわついた声が聞こえだしているが、まだここには幸いに俺と鈴川とその連中しかいなかった。

― やばいぞ・・・!!! 

そう感じた俺は咄嗟に鈴川の手を取って、全力で廊下を走りだしていた。
何が起こったのか全くわからなかったし、いつも笑っている鈴川のあんな厳しい顔も驚きだった。
さっき見たことを頭の中でぐるぐる再生しながら走り続けた。
どこをどれだけ走ったのか覚えていない、気がついたのは鈴川の呼ぶ声でだった。

「ちょ、ちょっと、笠野田くん・・!!」

―・・・え?、俺の名前?

「どこまで行くの?ストップストップ!」
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