◆『どこまでキコエル』長編小説◆
□* 6 * ハニーとシェリー
2ページ/6ページ
「先輩すごいです!私のファンですか?!」
冗談めかして楽しそうに笑いながらシェリーちゃんが言うと、
こういうセリフもすごく自然に聞こえる。
「ふふふ、そうかも〜」
僕もついつられてそんなふうにこたえたんだ。
「あの、先輩は剣道部か柔道部の方ですか?」
「ううん、友達を待ってるの。シェリーちゃんは?こんなところでどうしたの?」
シェリーちゃんはぐるりと武道館を眺めてから答えた、
「実は見学に来たんですけど、勝手が分からなくて・・・。
先輩、この学校に合気道部はあるんでしょうか?私、合気道やろうかなって思ってて・・・」
「合気道かぁ、残念ながらうちの学校に合気道部は無いんだぁ。ごめんねぇ。」
僕が少ししょ気た感じで言うと、シェリーちゃんは明るく言った、
「先輩が謝ることじゃないですよ!そうですよね、合気道ってなかなか部活としてはマイナーだったりしますから。」
そしてまた笑った。シェリーちゃんはほんとによく笑う子だなって思った。