短編
□とあるトイレ地獄
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「・・・・・」
沈黙
あれから何分、何時間経っただろう
「不幸だ…、やっぱあの時食べなければよかったぁ!不幸だ、不幸だよマジ不幸だ」
「不幸なのはこっちや!多分あの時上やんが食べんかったら、子萌先生のお弁当は天国に逝くほどうまかったんやろな…」
「俺が食おうが貴様天国行きだ!」
「いや、青髪、上やんのせいじゃないぜお」
「まさか!土御門、あいつや言うか!?」
「ああ、そうだろ?黒やん」
「・・・・・ふっ、まぁお前達は運がなかったって事だ。トイレだけに」
「全然うまくねーよ!むしろ絶望だよ!」
食べた後の話なのだが、弁当は最高に不味かった。当然四人は、吐き気、腹痛、目眩、頭痛、体の異常がわかった瞬間走り出していた。
トイレに着くまではよかった。だが、紙がない、流れない、助けを呼んでも来ない。それもそのはずで、現在このトイレは工事中で立ち入り禁止、それは昨日のホームルームで伝えた筈なのだが聞くわけもなく、今に至る。
「助けてー!誰でもいいから来てくれー!」
「上やんやめとけや、上やんが呼んだら来るもんも来んわ」
「ウルセッ!バカが揃いも揃って携帯忘れやがって」
「それは上やんも一緒だにゃ〜」
「当麻。あまり騒ぐなって、この事は水に流せって、トイレだけに」
「うぜーよ!それお前の中ではやってんのか!第一、今この状況でトイレって言葉はNGワードだよ!」
はぁ、と疲れ便器に座る。
トイレの並びだが
入り口から上条→黒崎→土御門→青髪
入り口から一番近い上条が叫んでいるのに返事すら帰って来ない
「それにしても、はぁん、ひまはをひなふた?(今何時なんだ)」
「多分だが…、もうちょいで放課後だぜよ」
「つーかなに食ってんだよ?しかもどっから取り出した」
「まばたきした瞬間、手にはすでにクレープが握られていた」
「当然のように言ってますけど、それにしてもこの前ファミレスに入ったら美人で可愛い四人組が居てな♪なんか目開けたまま寝てたり、超とか言ったり、語尾に『な訳よ』とか、んでキレたら『ぶち殺し確定ね』って言う人とかちょうどワイら四人やし合コンしようや」
「まてよ、三人まではよかったよ。最後なんだよ!『ぶち殺し確定ね』ってなに?怖いわ!」
「でも上やんだって『お前の幻想をぶち殺す!』とかキザなこと言うてたにゃ〜」
「やめてあげて〜!///上条さんだってわかってたよ!///」
「その四人は辞めとけマジぶち殺されるから、道具の四人は使い勝手は悪いよ〜」
「道具?なに言うてんの?黒やん」
それいこう話が止まった。10分くらいたった
「詰まったな、トイレだけに」
「もうやめろ、ネタ切れただろ?」
「うん」
「それにしても来んな、人」
「このままトイレで餓死するかもな?」
「・・・・・」
「(そういや、クレープ食った時に包んだ紙あったな、来い!クレープ!うおっ!いつの間にか手に!でも紙はある)」
ふきふき、ガチャ、スタスタ
「え?神?拭いてる?おい!何処に行く!」
神は無言でトイレから出た
「セコい、セコい!あの人セコいで!」
「大丈夫にゃ〜、黒やんは助けを呼んでくれる筈にゃ〜」
人の来る気配がした
「神か?紙をくれ!あん?なんだ?」
「なんや?」
「水筒と割り箸?それとカップラーメン?」
神は無言でお湯の入った水筒、スーパーで売っている割り箸、そして二個だけカップラーメン
「明日の朝に業者の人来るらしいから、さーてと今日の晩御飯はビフテキだー」
「ちょと!神!?神さん!?神様!?私も神様にお供させてほしいです!ねぇ?ちょ!ねぇ!?」
返事が帰って来ない
「あいつ絶対に殺す」
「ぶち殺し確定やな」
「今こそあいつの幻想をぶち殺す」
「「「・・・・・」」」