世界一初恋

□鍵
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「取り敢えず鍵、返せ。」
このままだと本当にこの家に住む事になってしまう。
「やだ!」
「子供みたいな事言ってんじゃねーよ!。」
「鍵返したらまたここに帰って来なくなるだろ?だからやだ!」
何が何でもこの家に住まわせようとしているらしい。何とか鍵だけでも取り返さなくては。いざとなれば高野から戻ってきた合い鍵があるけど桐嶋が鍵を持っているとまた何をされるかわからない。
「あーあれだ、この家に住むとしてもまだ必要な物がマンションにあるから取りに行ったりしないといけないだろ?」
「取りに行く時は俺も一緒に行く。車で行った方が楽だろ?」
「いや、だけど‥。」
「横澤がマンションを解約するまで鍵は返さない!解約する時は俺も立ち会う。これは決定事項だ、反論は許さない。諦めろ。それと高野が持ってた合い鍵も俺が預かる。もう高野が持ってる理由はないだろ?あと、高野の家の鍵は返す事。」
桐嶋は高野が持っていた合い鍵の事も忘れていなかった。こうなってしまっては横澤がどんなに足掻いても桐嶋にはかなわない。言われるまま諦めるしかなかった。
渋々合い鍵も渡す。
「あんたにはかなわねーよ。」
桐嶋は当たり前だろ、と微笑んでいる。
「俺にとってお前はひよと同じ位大事なんだ。いつでも側にいて欲しいんだよ。何があっても離さないからな。」
こんな束縛も心地良いと感じてしまうなんて自分は完全に桐嶋に溺れてしまったようだ。



おまけ
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