長編

□撃破 〜いどう〜
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 紅いフェストゥムは崩れ落ち、炎上していマークザインに止めをさすべく、体から再び、緑の結晶を出現させる。砕け散った結晶の中に在ったのは、ミサイルだった。

それを喰らえば今のマークザインと一騎にはひとたまりもないだろう。が、それは一騎に届くことなく、フェストゥムの目の前で、爆発した。

空を見上げると赤紫色の巨人が空を舞うように飛んでいた。

「まだ生きてる」

赤紫色の巨人、マークジーベンに搭乗している遠見真矢は至極『冷静』に、かつ簡潔に敵の状況を「仲間」に告げる。

紅にフェストゥムも目の前に飛来したのは深緑。

「目の前かよーーー!?」

深緑のファフナー、マークアハトに乗るのは近藤剣司。出撃直後、敵の目の前に飛び込んだことに大目玉を食らうが、それでも焦ることなく『正確』に、フェストゥムへ、銃を向け、掃射する。

マークアハトの掃射を避けるフェストゥムの背後から接近するのは黄色。

「ぬぅううううううぁああああああああ!!!」

黄色、マークドライを繰る羽佐間カノンは、自身の感情を『剥き出しに』し、フェストゥムに襲い掛かる。意表を突か
れたフェストゥムは回避行動すらできず、マークドライのルガーランスによる突きを食らった。だが、それで済ませるほど、カノンは優しい筈は無かった。

 ルガーランスの刀身がフェストゥムに「刺さったまま」展開く。展開した刀身とそこから流れる電流は、一つの武器
を連想させる。

「くらええええええ!!」

ルガーランスのレールガンは全くのゼロ距離射撃で、フェストゥムに直撃する。2年前と比較しても見事な連係プレー
だった。それを観察している人物はこう、評価するだろう

「皆それぞれ、蒼穹作戦から半年間、各々の長所を磨き上げ、連携に生かせる様になった。もう、あの3人だけでも、
十分に島を守ることができる」

レイは潜水艦の甲板でファフナーとフェストゥ無の戦闘を未ながらそう呟いた。今、彼のファフナーはとある理由から整備中で発進できる状態ではないが、ファフナーパイロットの代表として戦闘を見届ける必要があった

「とはいえ、新種とは……これからの対策を練る必要がありますか」

彼は既に今後の対策についての検討を始めていた。

――――

 紅いフェストゥムはいったん全員から距離をとった。そして全身から不気味な眼のような物を出現させる。そこから、恐ろしいほどの高エネルギーが集中されていく。そして、その狙いは……マークザインだった。

瞬間、マークザインのカメラアイが輝き、崩れ落ちたマークザインが再び立ち上がる。

「ぬぁあああああああああああああ!!!」

 その身に纏った炎を消し、同時に一騎の体を蝕んでいた結晶も砕け散る

 ルガーランスを構えるその刀身からは先ほどとは比べ物にならない電流の輝きがほとばしる。
 
光、一、閃

 紅と銀それぞれの最大火力がぶつかり合いその力は拮抗する。が……

――――

「……勝ちましたね」

先ほどから戦闘を見ていたレイは、ふと呟く。

「真正面からまともに撃ち合って、マークザインに勝てる「モノ」なんて、この世界には存在しない」

そういった直後、マークザインの閃光が紅いフェストゥムの閃光を飲み込み紅を漆黒に変え、粉々に吹き飛ばす。

「て、敵消滅」

アルヴィスでは要燈美がフェストゥムの消滅を真壁に報告、真壁史彦はその額に汗をにじませ、右手に拳を作り、
きつく握り締めていた。その拳から一滴の緋い液体が流れ落ちる。
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