長編
□戦い 〜らんせん〜
1ページ/4ページ
サイレンと共にやってきた敵は、その武器だけでなく戦法まで人類を模倣し始めていた。
ヴェルシールドに阻まれるが、淡々とライフルを撃ち続けていくエウロス型。大群で空中から島を爆撃しだすスフィン
クスE型。それを見た溝口たちは
「空爆に艦砲……。上陸の下準備ってか」
「人間の様に攻めて来る」
いままで子という概念が無くただ、数の暴力で攻撃してくるだけだったフェストゥムが、人類の戦い方、所謂戦術を知り、攻めてくるのは脅威だ。が、それは同時に突破口も見えてくるのだ。
「ならば戦い方はいくらでもあるぞ。フェストゥム!!」
そう、今までは無計画に攻撃してくるだけだったので、先が読み辛かったのだが、戦術を使用してくると話は別だ。幸いフェストゥ無もごく初歩的な戦術しか使ってきてはいないため、対処だって可能だし、戦術を使うのならどうやって撃破するかも見えてくる。
「了解、後続のファフナー、出撃!」
ナイトヘーレの扉が開き巨人が動き出す。
X、\、]、]U、]V、そして0。6体の巨人が戦場に投入され、総勢10体のファフナーが戦場に舞い降りた。
その中の一人、堂馬広燈はマークフュンフに乗り、竜宮島に降り立つ。彼は黄金に輝く敵に見とれ、呟いた。
「綺麗だ……」
――直後、アラームが鳴り響く。
「え、う、うわああああ!!」
マークフュンフをワームスフィアーが包み込む。闇色の球体が消え、その中に在った草木や炎が全て『無』へと還って行った。だが、紫色の巨人……マークフュンフは無傷で其処に在った。
「い、生きてる?」
堂馬の声にカノンが応える。
「改良を重ねたノートゥングモデルだ。そう簡単にやられはしない」
それに続くように剣司が警告を発する。
「くるぞ!食い止めろ!」
剣司の言葉に堂馬は前を向く。其処には今まさに突進をしようとするフェストゥムがいた。堂馬は「うわあああ!!」と
悲鳴を上げつつも、マークフュンフの専用装備。防御シールド、「イージス」を展開する。展開される蒼いシールドはフェストゥムを受け止める。
その側面から、マークアハト。剣司が射撃を加え、フェストゥムは消滅した。
――――
フェストゥムにルガーランスが突き刺さる。展開かれた刀身から放たれるレールガンはフェストゥムのコアを内部から破壊し、消滅させる。すぐさま赤い巨人は振り向き、次の敵へと、襲い掛かる
「機体に内蔵されたミールのコアが、敵の力を防ぐ!」
赤い巨人……マークドライツェンに搭乗しているのは羽佐間カノン。ドライツェンの高機動で瞬く間に、フェストゥムにルガーランスを突き立てる。
「自分と機体を信じて戦え!!」
深紅の巨人は、まるで疾風のようにフェストゥムを消滅させていく。マークドライに乗っていた時とは違う、これが彼女の本当の戦い方なのだ。