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□好きだよ。
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…っもう!!高崎君は…。


「佐伯先生、大丈夫ですか?毎日あんな奴をよく受け入れてますね。」


後ろから飯野が話しかけてくる。菜子もまたこの飯野が好きではなかった。飯野の視線はねっとりとしていて居心地が悪いのだ。


「佐伯先生も大変ですね。あんな問題児に懐かれて。私ならとっくに退学にするとこですよ。」


……ひどい…


菜子は眉間に皺を寄せて口を開く。


『…高崎君は…たしかに態度は悪いかもしれませんが問題児なんじゃありません。』

「どうだか、授業はサボるし態度や服装の乱れは酷いしおまけにあの口の聞き方。あんなクズみたいなのが何故この学校にいるのかわかりませんよ。」

『そ、そんな言い方しないで下さい!!!高崎君は素直で優しい子なんです!!』

「佐伯先生…あなたは騙されてるんじゃないんですか?影で一体何をやっているかわからないんですよ?ああいう連中は。」

『…例え騙されていても私は高崎君を信じます。』

「……まぁ、いつかボロが出た時辛いのはあなたですよ。それでは。」



そう言って飯野は職員室に入っていった。



…っもう!!!!何よ!!!高崎君の事何にも知らないくせに…!!!あの筋肉勘違い男!!!!



菜子は心の中で色々愚痴を言ってからため息をついて自分も職員室に入っていった。














『…はぁ。何でこんなに疲れてるんだろ。』


昼休み、菜子は資料室で椅子に座りながらぐったりしていた。



『さすがに高崎君にも見つからないよね、ここ。』


そう、菜子が何故資料室にいたのかというと毎日暇になれば菜子めがけて走り寄ってくる咲夜から逃げるため。あとは飯野の視線から逃れるためだ。どちらかと言えば後者の理由が大きいが。


……あの抱き着き癖がなければ…まだかわいいものを…まぁ、それでも楽しいんだよね。高崎君、普段はクールなのに私っいると犬みたいなんだもん。


菜子はクスッと笑い資料に目を通し始めた。幸い、次の時間は授業が入っていないので暇なのだ。



……あーいい天気…



ウトウトしかかっていると突然扉を叩く音が聞こえて菜子は跳び起きた。




だ、誰!!!?まさか…高崎君…!!!?



菜子がオロオロして髪を手で直してると扉が開いた。が、咲夜ではなく……


「…佐伯先生、ちょっとよろしいですかな?」


…何か嫌な感じのオーラを纏った飯野が立っていた。
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