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□好きだよ。
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「…ここにもいない。」
その頃、咲夜は愛しい菜子を探し回っていた。
あ〜なんでいねぇんだよ。先生の事ぎゅーってしなきゃ午後とか乗り切れねぇし!!!
「あ〜ッ!!!!!俺のエンジェ〜ル!!!でてきて〜!!!!」
咲夜がそんな叫び声をだすと、
…ボカッ!!!!!
勢いよく後頭部を叩かれた。
「〜ってぇ……!!!!」
咲夜は後頭部を押さえてしゃがみ込む。
「…お前は周りの迷惑を考えろ。きしょい事をデカイ声で言うな、バカタレが。」
「……ってぇな!!!なにすんだよ、バカ信!!!!」
涙目になりながら殴った張本人、浅田柾信(アサダマサノブ)を咲夜は睨みつけた。
「きしょい事言う方が悪い。この変態が。」
見ての通りドSの俺様野郎だ。
「きしょい言うな!!!俺はせんせーを真剣に愛してるんだよ!!愛をバカにすんな!!!」
「お前が愛を語るな。ったく、そんなんだからなぁちゃんが逃げるんぞ。普段はクールのくせになんでなぁちゃんが関わるとキャラ変わるんだよ。」
「なぁちゃんって言うな!!!!お前が言うと汚れるわ!!!!」
なぁちゃんとは先生のニックネーム。先生は気に入ってるっぽいけど、俺は嫌いだ。なんか馴れ馴れしいじゃん!!!?
それにちゃんと付き合ってからなぁちゃんとか菜子とか言いたいし?
俺って健気〜♪ムフフ♪♪
妄想に入ると咲夜の顔は緩みっぱなし。
「………。」
それを見て柾信は思う。
顔はかっこいいし(俺程じゃないが)、タッパもあるし、頭も悪くないし(でも俺よりは下)、運動神経もいいのに(これだけは俺よりある)。
「なぁちゃんの事になると本気で変態に見えるのは何故だ…?」
柾信の疑問は咲夜の不気味な笑い声で掻き消されたのだった。