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□好きだよ。
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−その頃−


『あの……飯野先生、何かご用でしょうか…?』


せっかくの時間を潰されてゲッとした菜子だが、先輩なので無下に出来ずにいた。


「いえ、たまには佐伯先生と話をしてみようかと思いましてね?」

『…はぁ……?』


私は別に話さなくてもいいんだけどなぁ…υ


なんて言えない菜子はカラ笑いをするしかない。



「佐伯先生はお美しいからさぞおモテになるんでしょうねぇ?」

『え…いえ、そんな事は…。』


何を突然言い出すんだこのおっさんは…。


「そんなご謙遜を。………ところで佐伯先生、今付き合ってる人はいるんですか?」

『え?…い、いません…けど…。』



そういうと飯野は目を輝かせてあるものを菜子に差し出した。


『これ……』


うわー嫌な予感が……


「実は私の知り合いがやっている美術館なんですがね、珍しいミイラが発見されてそれを日本初公開するらしくて。それでチケットを貰ったので一緒にどうですかな?今度の日曜に。」


菜子は顔が引き攣っていた。


…これは…まさか………


……いわゆるデートの誘いですか?


『…えっ…と…。』

「先生は美術がお好きと聞きました、私と話が合うと思いまして。如何ですかな?」



誰だ、そんな意味不明な噂を流したのは。てか、その身なりで美術好きとか有り得ないでしょうが。


菜子は一見おしとやかに見られがちだが、実は結構活発な人間だ。小説よりも漫画、映画も好きだし、スポーツも好きだ。
美術館は嫌いではないが、内容によっては全く興味がない。


…だいたいミイラなんて……1番興味ないよ…υ


差し出されたチケットを見て菜子は渋々口を開く。


『あ〜飯野先生、ありがとうございます。あのせっかくなんですけどこの日は予定が……。』

「あ、ではいつがいいですかねぇ。チケットは公開中ならいつでも大丈夫みたいなので先生の都合に合わせますよ?」


し、しまった!!!逆効果!!!!υ
……もー仕方ない、はっきり言おう。


『あ…いえ、いつどこで生徒が見ているかわからないので…あの、こういうのは…ちょっと困ります。』


そういって菜子はチケットを返した。


「…あなたは…高崎が好きなんですか?」

『へ?』


いやいや、何故そうなるの。


「私が…私がせっかく誘ったのに断るなんて!!!!あなたはデリカシーがない!!!」

『あ、の?』

「だいたい、高崎が現れなければ…あなたは私を好きになっていたはずなんだ!!!あのクズのせいで!!!!」

『い、飯野先生!!?何を言って……キャッ!!!!!』

「はぁはぁ、菜子は私のものだ!!!!」

『や!!!やめて下さい、放して!!!!』


飯野は興奮しているのか菜子をすごい力で床に倒し押さえ付けている。


「はぁはぁ、初めて見た時からずっと狙っていましたよ。あぁ、やっと私のものに出来る。嬉しいですなぁ。さぁ、菜子のその透き通るような肌を見せて下さい。」

『やめて、誰か!!!助けて!!!!!』

「無駄ですよ?ここは滅多に人が通りませんからね、しかも今は授業中。鍵もかけたし逃げれませんよ。」


ビリビリッ!!!


飯野はそういうと菜子の腕を頭の上で一くくりにし、服を引き裂いた。


『いやーッ!!!!やめてやめて!!!』


菜子は恐怖から体が震え、目からは涙が浮かんでいた。


「あぁ、なんてキレイなんだ。とても興奮するよ。」


飯野のゴツゴツした手が菜子の首筋に触れる。


もう菜子は声を出す事が出来なくなっていた。


やだやだやだやだ…
怖い、気持ち悪いよ…
なんで私がこんな目に…
誰か…誰か…





高崎君……助けて……
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