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□神のいた世界
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水華の街:アクアランス

伝統深い古風な街造りで緑と水が共存する美しい街。







カレンとシールドは街に着くととりあえず小さな喫茶店に入り、この街での滞在計画を立てていた。



「ん〜この街は以外とデカイから今日中に回るのは無理そうだな。」



地図とにらめっこしながらシールドは紅茶を啜る。



『……とりあえず目的地には着いたんだし、急ぐ必要もないでしょ。』



カレンは窓の外にある木々を見ながら言った。



「まぁ、そうだけど…あんまり1人に時間をかけたくない。出来ればあと5日でケリをつけて次の国に行きてぇしな。」




これからの日数をあれこれ計算しなければ時間は無期限という訳ではない。



『…なら最初に目的を果たしちゃおうよ。この街にいるのは確かなんだから誰かに聞いたらすぐにわかるよ。』


「…それもそうだな。それにすぐについて来てくれるかなんてわかんねぇし。」


『え?違うの?』



カレンは言ったらすぐについてくるものなんだと勝手に思っていた。



「…あのな、そりゃあそうだろ。他国から来たどこのだれかもわかんない奴にノコノコ着いてく奴なんざいねぇだろ。」



ふぅとため息をつきながらシールドは地図をしまう。



『…う…たしかに…。でも世界が滅びるって言うのに手も貸してくれないなんて事…。』


「…だから何?自分には関係ない。世界が滅びてもそれは神の溝知る…ってな。言われるならそんな感じだろ。」


『……無責任な。』


「…世の中にそんな考えの奴は腐る程いる。その中に神の子がいてもおかしくはない。だからこそ、俺達がみんなを説得に回るんだよ。」





外は風が吹いているのか木々がゆっくり揺れている。それは気持ち良さそうに。



『………。』



カレンはその様子をただぼーっと眺めていた。


















「ごちそうさま。」



しばらくして2人は喫茶店を出た。ちょうど昼時なせいかたくさんの人と街が道に溢れかえっていた。




『…う…すごい人…』



カレンは人ごみがあまり得意じゃなく、苦い顔をした。



「…こりゃ、離れたら一たまりもねぇな。………カレン。」




シールドはカレンを呼び、カレンは顔を上げてシールドを見る。



「あ〜その…離れたら厄介だから……俺の服の裾、握ってろ。」


『…………え?』


「いや、ほらっ!!!!前街ではぐれてえらい目にあったろ?」



……なんでシールド赤くなってんだろ?熱気にやられた?



カレンは胸の前で両手をぶんぶん振ってるシールドを見てきょとんとしたのだった。
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