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□神のいた世界
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「…おい、カルメン。本当にこっちでいいのか?」
「心配ないって!!あたしを誰だと思ってんだよ。神様仏様カルメン様よ?少しは信頼しとけ。」
「………。」
……そんなの余計心配だっ!!!
なんてシールドは口が裂けても言えなかった。
「……ハァ…カレンは?大丈夫か?」
カルメン、シールド、かなり距離があってカレンは並んで歩いていたためシールドは大声でカレンに聞く。
『…っ…も…ち、ょ…ゆっ…る…い…よ……ぶ…ない…』
訳:もうちょっとゆっくり歩いてよ、大丈夫じゃない!!!
早足気味のカルメンについていくため自然とシールドも速くなり、カレンも着いていこうと頑張るが、追いつけなくなってきた。
「……ゆるい?ならそんな後ろ歩いてないでさっさと来いよ。」
『……。』
だいぶ聞き間違いをしてるシールドにカレンは軽く殺意を覚える。
「カレン!!!あと少ししたら休憩するから頑張って!!!」
カルメンは言葉は聞こえなかったものの、カレンの状態を見てなんとなくわかったのか苦笑しながら言う。
……カルメンが勘が鋭くて良かった…。
もう半泣き状態だったカレンには有り難い言葉だった。
休憩のためにカレンは一生懸命頑張った。
「……カレン大丈夫か?」
あれからややしばらく歩いた後、川の近くで3人は休憩する事にした。
『………。』
もう喋る元気もなかったカレンは無言で首を横に振る。
「…あはは、カレンごめんね。あたし早足気味だからさ…υ次はもう少しゆっくり歩くね。」
そう言ってカレンに水をくれた。
『……あ、りがとう。』
カレンは水を受け取ると一気に飲み干してふぅとため息をついた。
「…カルメン、俺達は今どこに向かってんだ?」
カルメンは近道があるとか言って歩いていたため、ルートがシールド達にはわからなかった。
「…あぁ。水の国と雷の国って結構距離的に近いでしょ?」
だから…といってシールドが持っている地図を奪うと広げる。2人もつられて地図を見る。
「……今あたし達はイーストロードをひたすら歩いてるわけ。で、こっからさらに西に行くと橋に出るの。」
『「橋?」』
シールドとカレンは同時に声を出す。
「そ。【アクアボルタ大橋】水の国と雷の国を繋ぐ橋でね、船がなくても海の上を歩いて渡れるのよ。」
「…船に乗らなくていい……。」
ちょっと嬉しそうに言うシールド。
「通常船だとどんなに頑張っても1日かかるけど、この橋は3時間で着けるのがいいところなの。ね?早いだろ?だからこの道を抜ければ後は橋だけってわけよ。」