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□神のいた世界
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『…シールドのとこ?』


カレンが聞き返すとバラ達はそうだよ。と言い返した。


〔シールドモ昔カラアノ瞳ノ色ッテ訳ジャナイカラネ。結構練習シタミタイダヨ。〕


『シールドって生れつきあの瞳の色じゃないんだ。…でもシールド忙しそうだしなぁ。』



ブツブツとカレンが渋っていると



〔〔〔イイカラ行ク!!〕〕〕


バラ達全員に怒られた。




カレンはビクッとなり、



『……はい、行かせてもらいます。』




すごすごとシールドのところへ向かったのだった。














『……シールドってどこにいんの?』




城に戻ってきたはいいけど肝心のシールドの居場所がわからない。
カレンはため息をつき、居そうな場所を少しずつ探すことにした。















『……ここもいない。』



あれから30分近く探し回っているが見つからない。


『どうしようかな。みんなのとこ帰っても怒られるしなぁ…。』


カレンの頭の中には誰かに聞くという選択肢が浮かんだが、すぐに消去された。



…人に聞くとかって聞き方がわかんないし。



極度の人見知りのカレンは自分の世界にいた時も人と話す事があまりなかった。



……あの人達も私がいなくなってくれて清々してるよね。



あの人達とは両親の事。



自分がいた頃から冷め切っていた夫婦間の事だ。
きっと厄介な娘がいなくなったおかげでスッパリ離婚している事だろう。




……私は死んだ事にして。











物思いにフケっているとカレンはふとバルトの存在を思い出した。



『バルトさんに聞けば何かわかるかも。』



そう思い、カレンはバルトの部屋へと向かった。














『バルトさん、いますか?』


バルトの部屋の前に来たカレンは扉を叩いてバルトを呼んだ。


するとすぐに扉が開き、中からシェリアが顔をだした。


「あら、カレン。どうしたの?入って。」


シェリアはニッコリ笑ってカレンを中に入れてくれた。しかしその顔の眉間にシワが入っているのをカレンは見逃さなかった。


『……?』



カレンは首を傾げながら中に入るとなんとなく理由がわかった。
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