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□神のいた世界
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目が覚めるとそこには見慣れた天井と殺風景な部屋があった。
また……あの夢か…。
額にかいた汗を拭いながらこの部屋の主である少女・カレンはため息をついた。
前から同じ夢をみる事はあった。
でも、一定の間隔を空けてみていたので気にしてなかったが……
だんだんみる間隔が短くなっている。それはたしかだった。
『ホントに…わけわかんないよ。』
そういってベッドから起き上がり、ふと時計をみた。
7時…。
学校に行くにはまだ少し早いが、カレンは行く準備をし、洗面所向かった。
制服に着替え、鞄を手にカレンは部屋をでた。
階段を降り、玄関に向かっていると奥の部屋のドアが開き、カレンは振り返った。
「あら、あんたもう学校行くの?」
そこにはバスローブを身につけ寝癖のついた髪をかきあげながら煙草をくわえている母親がいた。
『……。』
「…相変わらず無愛想な娘ね。ホント、可愛いげのない。」
そうブツブツ言って煙草の煙を吐き出した。
『……。』
煙草の匂いと身につけてる香水の臭いが鼻につき、眉間にシワがよる。
カレンは何も言わずくつを履いて扉の取っ手に手をかけた。
すると後ろから
「あの人今日も帰って来ないらしいからあたしの部屋……入ってこないでよ。」
と聞こえた。
カレンは一瞬動きを止めたが、すぐに取っ手を引いて家をでた。
『誰が…あんたの部屋なんか入るかつーの。』
そんな小さな呟きを残して…。