BLEACH
□一織短編集
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結婚しました
―
「お、おはよっ♪一護君」
「……おはよ、織姫」
一護は恥ずかしくてそっぽを向いていた。
初夜の次の朝だった。
それは何とも、一護には恥ずかしかった。
幾ら何度、織姫と同じ布団で寝たからといって。
―
「……ぇ?黒崎、結婚するのか?」
「…まぁ、する事になった」
「する事になったって……まさか井上さんがプロポーズしたとか?」
この前、一護は雨竜と話していた。
雨竜が一番最初に友達に結婚を伝えた人だ。
自分と織姫に大きく関わっている人だから。
嫌ではあるが話は合う。
一護の顔はほんのりと赤く染まる。
それは肯定の意味をしていた。
「……逆プロポーズか。井上さんもなかなかやるね」
「あんな風に先にされちまうとは思わなかったんだよ…現世で結婚しときたいとか…」
「井上さんらしい言葉だね。確かに現世で結婚しとけば向こうでは常に夫婦だ」
「…そう言う事が狙いらしい」
織姫は突然、意味の分からない事を口にしていた。
それの続きだと思っていた、逆プロポーズ。
織姫は本気だったのだ。
なので、しっかりと一護が織姫にプロポーズをし、結婚となった。
「…ソウル・ソサエティに行くんだろ?」
「……あぁ。七番隊の隊長と副隊長になるんだと」
「僕とみちるも技術開発局に勤める事になったからな」
「ププ……ッ、死神嫌いのお前が技術開発局かよ……っ」
「五月蝿い!野望の為には必要なんだよ!」
「洋服屋開くんだろ?」
雨竜だってみちると良いお付き合いをしているらしい。
一緒にソウル・ソサエティに行くのだと。
そんなこんなで同居を始めてから半年たらずで結婚となった。
―
「ごめん…井上」
「あー、黒崎君、井上って言ったぁ…」
「織姫も黒崎君って言ったじゃねえか」
「んじゃお互い様だね!」
静かに抱き締めあう。
相手の苗字を言ったら罰ゲームと言う案があった。
「ソウル・ソサエティでも宜しくね、一護君」
「あぁ…お前は絶対、俺が守る」
「有難う」
織姫は副隊長になった後、ルキアから鬼道を学ぶ事が決まっていた。
少しでも自分を守れるようにと。
ついでに斬魂刀の事も教わるらしい。
2人の戦いは幕を開けた。
→あとがき