D.Gray-man

□アレリナ短編集
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向日葵





「……ねぇ?アレン君」
「どうかしましたか?リナリー」
「私達だけが……幸せになっちゃっていいのかな?」


少し悲しそうに彼女は言う。
時は千年伯爵を倒し、平和になって丸5年が経とうとしていた。
2人は今日、夫婦になろうとしていた。


「綺麗ですよ、リナリー」
「有難う、アレン君」


リナリーはウエディングドレス姿だった。
真っ白なベールに包まれた顔はなかなか見る事が出来なかった。
そして先ほど、リナリーはああ言ったのだ。
アレンは悩み、考えていた。
そして何か思いついたらしく、リナリーの方を見てニッコリと微笑んだ。


「僕らが幸せなら、いいんじゃないですかね」
「……アレン君?」
「僕らが幸せいっぱいで、ずっと笑顔だったら…周りの人はどうなると思います?リナリーは」
「私が周りの人だったら、つい笑顔を貰っちゃうと思う……」
「それですよ」


アレンの言葉にリナリーは首を傾げる。
やはりあまり理解はしていないようだ。
アレンは静かにリナリーの手を自分の手に乗せた。


「笑う、ってどんな時ですか?」
「……幸せな、時…」


リナリーの顔が上に上がった。
アレンの目を、静かに見つめる。


「……そう言う事です。だから…僕らがいっぱい笑顔の種を撒いて、皆を幸せにしてあげましょう」
「そんな事、私に出来るかな」
「リナリーは向日葵なんですから、教団の」
「向日葵?」
「皆を幸せにしてくれる、そんな人なんですよ」


アレンの笑顔が、自然とリナリーをも笑顔にさせていく。
リナリーもニッコリと微笑んだ。


「有難う、アレン君」
「いえ」
「いっぱい、いっぱい幸せになって、沢山の人に幸せになってもらおうね」
「はい」


まだ、世界にはアクマが残っている。
それを全て倒す事がエクソシストの使命。
それが終わった時こそ、本当の幸せが訪れる。



―――――――――――――――

久々のアレリナです。
結婚式前の話(笑)
肝心の本番の結婚式はやらないと言う微妙な話。
リナリーは自分が幸せになっていいのか、悩む人だと思います。

過去に辛い目にあった人を何人も見てきた訳だし。
そんなリナリーをアレンは救います(笑)

笑顔になると、幸せを感じます。
だからそんな感じの小説を書きました。
ラビミラはもう少し後。



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2007年9月19日




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