D.Gray-man

□アレリナ短編集
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最大の壁





「……はぁ」


先ほどから、何かを悩みこんで溜息ばかりつくアレン。
そんなアレンを見かねたラビが話し掛けた。


「どうしたんさ?アレン」
「必死に考えてるんですよ、言葉を」
「言葉?」
「プロポーズの言葉です」


アレンの目が、輝きを増した気がした。
ラビは驚いたらしく、目を丸くしていた。
アレンと言えば必死?な思いでリナリーと付き合うことに成功した人。
確かに、2人が付き合いだしてからは1年近くが経過していた。


「プロポーズすんのか?アレン」
「はい。そろそろ身を固めたほうがいいと思いまして」
「20歳の言う言葉には思えねえんだけど」
「そうですか?」


不思議そうにアレンは首をかしげる。
そしてニッコリと笑った。
しかし、また、悩み顔になってしまう。


「普通に言えばいいじゃんか。結婚してください、とかさ」
「やっぱりストレートに行きますか?」
「俺だったらそうするさ〜♪」
「じゃあラビ、ミランダに言ってきてください」
「嫌さ。俺とミランダはもう少し愛を育むんさ」
「…そうですか、まぁ解決しました」
「それは良かった。成功させろよ、アレン!」
「分かりましたよ」


覚悟を決めて、アレンは歩き出す。
そしてリナリーの部屋へと歩いていった。


トントン


「はーい」
「リナリー、僕です」


アレンはこの瞬間が一番緊張した。
リナリーの声が聞こえた直後。
リナリーは扉を開いた。


「…どうしたの?アレン君」
「話があるんです」
「えぇ、いいわよ?」


リナリーはアレンを中に入れる。
そして椅子に座らせた。
アレンは深呼吸してから、ハッキリと述べた。


「僕と、結婚してください」
「結婚……?」
「はい、結婚してください」
「してくれるの?アレン君」
「こっちが聞きたいですよ、リナリー」


リナリーの目が、輝いた気がした。
リナリーは思い切り、アレンを抱き締めた。


「大好き、アレン君っ♪」
「僕も大好きです、リナリー」
「でも……兄さん、許してくれるかな」


突然、雲行きが怪しくなった。
最大の強敵、コムイのことになったからだ。
コムイはこの事について、一切知らない。
2人が付き合ってることさえ、秘密にされているのだ。


「……多分、無理でしょうね」
「そんな……」


リナリーは今にも泣きそうな感じだった。
つい、その対応に困ってしまうアレン。
他の女性では慣れていたはずなのに、どうしてもリナリーの対応は困ってしまう。


「そうだ!妊娠すれば、兄さんが許してくれるわ、きっと!」
「…赤ちゃん、ですか?」
「うん、赤ちゃん」


リナリーはニッコリと微笑んだ。
その言葉にアレンはさらに黙り込んでしまう。
赤ちゃんを作りたいと言えば作りたい。
しかしその後、コムイに見つかった時が大変な気がしたのだ。


「アレン君…駄目?」
「リナリー、貴女はまだ20歳じゃないですか。僕も19歳ですけど…」
「駄目…だよね……」


ポロポロとリナリーは涙を零していく。
その光景にさらにアレンは困ってしまう。
リナリーの涙にはかなり弱いから。


「でも…こうしなくちゃ、結婚できないよ!」
「…リナリー」
「お願い、アレン君。私のお腹に…アレン君の赤ちゃんが欲しい……」


泣きながら抱きついてくるリナリー。
アレンは完璧に参ってしまった。
リナリーのこんな姿はあまり見ていたくは無い。


「……分かりました。リナリーの願いをかなえます」
「本当っ!?」
「でも、子供と言う最も大切な存在が生まれる訳です。途中で投げ出したりとかは出来ないんですよ?」
「うん、分かってる。アレン君との子供だから…育てられるの」
「僕も、リナリーの子供だから育てられます」


2人はニッコリと笑いあった。
この後起こる事にも、2人と、そのお腹の赤ちゃんとの3人で乗り越えていく事を誓い合った。



―――――――――――――――

YMY様!本当にすいません!
相互記念のリクが『告白』でした。
しかしこりゃプロポーズじゃねえか!
本当にすいません。
嫌でしたら書き直しますので言ってください。

アレリナのプロポーズ大作戦。
これで、『大切な宝物』へ続く訳です。
何か微妙な話になりました。
アレンはリナリーのはっきりとした意思をちょっと知りたかったんですね。
結婚したかったから子供を作った、と言う理由で子育てをしない人にはなって欲しくなかったんです。
リナリーに限ってそれはありえないですけどね。



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2007年9月27日




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