D.Gray-man

□アレリナ短編集
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『頬を染める』





「うわ…っ、綺麗な人……」


印象は綺麗な人、だった。
靡く輝く黒髪を目に惹かれた。
学校でその姿を見た。
入学してから半年、一度も見た事がなかったから同じ学年ではない事が分かった。
だからもう二度と会えないと思ってた。

なのに……


「待って!」
「……ぇ?」


今日は午後から雨だった。
天気予報では晴れ。
アレンは傘を忘れた。
だから走って帰ろうとした時に腕を掴まれた。
腕を掴んだのはあの少女であった。


「……大丈夫?」
「ぁ…えっと…大丈夫です」
「雨降ってるから…傘ささないと…駄目だよ?」
「傘持ってなかったんで…」


思わぬ所で話す事が出来た。
雨が降っているのに前へ進もうとしたアレンを止めたのであった。
少女と話すだけでドキドキする。
少女は必死にアレンの腕を掴んでいた。


「風邪引いちゃうから……」
「傘持ってないんですよ、僕」
「私持ってるから……」
「一緒に帰っちゃっていいんですか?」
「……うん」


顔を赤く染める彼女。
そんな少女が可愛くて、アレンの鼓動は速くなっていた。
初めて話したのに、一緒に傘に入るなんて考えてもいなかった。
相合い傘と呼ばれるモノ。


「リナリー…って言うんですか?リナリー先輩ですね」
「先輩って呼ばなくていいよ、苦手なんだ…先輩って言われるの」
「ぁ…ごめんなさい…」
「ううん、大丈夫」


話は思いの外、弾んだ。
1つ上の先輩のリナリー。
アレンの家まで送ってくれるとリナリーは言ってくれた。
リナリーの優しさにアレンはすでに惚れていた。

家にすぐに着いてしまい、嫌な気分になってしまう。
こんなに近くに感じた事はなかった。


「……アレン君の家って此処?」
「えぇ、此処の103ですけど?」
「私……102……」


思わず口が開いてしまった。
お隣さんであった事に。
引っ越してから半年。
一度も会った事はなかった。


「お隣さん…ですね」
「そうみたい……だね」
「これから毎日一緒に行きましょうか、学校」
「いいの?」
「リナリーさえ良ければ勿論です」
「じゃあ……お願いします」


顔を真っ赤にさせるリナリー。
アレンもアレンで大変であった。


2人が付き合うようになるまでまだ時間はある。



―――――――――――――――

学パロのアレリナ書き上げました♪
まだくっつく前の話です。
出会い編…かな(笑)
お隣さんです。
アレンは1人暮らしでバイトと学校を両立させています。
生活費ギリギリなので大食いは殆ど出来ないです。
リナリーはコムイと2人暮らしです。
コムイが何処かで昼夜働いてます。
あんな重度のシスコンではない設定です。
余ったお金は隠れてリナリーの結婚資金を貯めてると思います。
神田のカプもラビミラも登場予定。
ってか短編で登場させます。
それぞれの場所で。



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2007年11月11日




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