D.Gray-man

□アレリナ短編集
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「お休み、可愛いエンジェル達」
「ゆっくり眠ってね」
「お休みなさい、ママ、パパ」
「明日お散歩に出掛けようね?パパ!」
「うん、明日ね」


ベッドに可愛いエンジェル達を寝かしつける。
子供達はすぐに眠りつく。
親2人はホッと溜息を吐いた。
そして暖かい部屋からリビングへと移った。





子供が寝静まった夜





「お疲れ様、アレン君」
「疲れましたよ、今日は」
「任務終わったばかりだもんね」


これ飲んで、とリナリーは紅茶を渡した。
アレンは紅茶を受け取り、飲み始めた。
先程任務を終え、帰宅したばかりだ。
帰宅した直後、子供2人に抱きつかれ、庭に遊びに行ったのだ。
家族皆で遊びまくり、疲れて家に帰ってきた。
ご飯を食べ終わり、風呂に入ると2人ともすぐに布団に入った。
やっと2人きりの静かな時間となった。


「イノセンスは獲得出来た?」
「えぇ。しっかりとレナがとってくれましたよ」
「エイトも昨日まで任務だったから子供達が大勢いて凄かったわ」
「5人でしたっけ?あっちは三つ子ですよね?」
「そうそう。双子に三つ子で凄い人数だもん」


しっかりとイノセンスを回収してきた。
レナと一緒に任務に行ってきた。
一週間の任務だったのだが、それまでの間にエイトも6日間、任務に出ていた。
エイトとレナの三つ子の子供はリナリーが見る事になってしまった。
年が近い5人は部屋の中でどんちゃん騒ぎで大変な事になっていたのだ。
しかしご飯の時間等は礼儀正しく、皆で並んで食べていた。
それには教団の人達も驚いていた。
リナリーはもっと驚いたのだが。


「ユイちゃんも入りたそうにしてたから入れてあげたの」
「ぇっ!?リナリー1人で6人を見てたんですか?」
「まさか。ユキとミランダが一緒に泊まってくれたわ」
「…安心しました。…ミランダもユキも体平気だったんですか?」
「安定期入ってるからいいって。ちょこちょこ仕事場抜け出して神田とかも来てたのよ?」
「…凄いですね」


ユイも入りたそうに見ていたらしい。
なのでリナリーは思い切ってリビングに6人、布団を並べて寝かしたらしい。
流石に6人を1人で見るのは大変だったらしく、ユキとミランダが手伝ってくれていた。
どちらとも妊婦なのだが。快く自分から言ってきてくれたのだと。

神田だけじゃなく、コムイやリーバー、皆が見に来ていたらしい。
やはり子供が6人揃うのは滅多にない。
だから物珍しそうに見てたよ、とリナリーは笑って言った。


「僕も子供6人揃ってるのを見たかったな」
「3日後から任務だからいないけどそうなるんじゃない?」


リナリーはニッコリとアレンに微笑んだ。途端にアレンは目を丸くした。
確かに3日後から自分は休みだ。明日からまた任務で明後日に帰ってくる予定なのだが。


「嘘!僕1人で6人ですか?」
「冗談よ。私とアレン君、ユキとミランダは除いてレナと男3人が任務よ」
「…吃驚しましたよ。レナは凄いよく働きますね」
「ほら…レナは来た直後に色々問題があったからなかなか働けなかったから……」
「今、挽回してる所ですかね」
「そうそう。子供ちゃんには可哀想だけど働くんだ、って言ってたわ」


師匠の問題とか、ノアとの問題がありましたからね、とアレンは呟く。
教団に入ったばかりの時、レナに色々と出来事が続いた。
だから思うように働けなかった。
それを今、働けないメンバーが結構いる為に挽回を兼ねて精一杯働いていた。


「あーぁ、僕ももっと働かなくちゃなぁ」
「ダメだよ!アレン君!」


ふとアレンは呟くように言った。
するとリナリーがギュッとアレンの手を握ってきた。
目にはうっすらと涙が浮かんでいた。その表情を見て、アレンは慌て出す。
リナリーの目からは次々と涙が零れていた。
アレンはリナリーの肩を掴んだ。自分のせいでリナリーは泣き出してしまった。


「ご、ごめん、リナリー」
「ううん……っ、大丈夫…っ、わ、私の方こそ…ご、ごめんね…っ!」


泣くつもりじゃなかったんだけど、とリナリーは呟く。
リナリーの目から涙が零れ落ちる。アレンはその涙を指で掬いとる。
そして静かに抱き締めた。
リナリーは思い切り泣き出した。アレンの胸で泣き出す。
アレンはずっと抱き締めたままでいた。


「アレン君がね…いっぱい働きに行っちゃうと寂しくて……」
「ゴメン…そんな事思ってなくて……」
「アレン君は皆を護りたくて頑張ってるんだよね……分かってるつもりなんだけど……」
「リナリーを一番護りたいんですよ、誰よりも」


アレンはギュッとリナリーを抱き締めた。
リナリーも抱き締め返す。
リナリーはアレンに全てを打ち明けた。

愛する夫がいて、愛する子供が生まれて、何もかもが幸せのはずだった。
なのにいつの間にか、何かが物足りなくなっていた。
そして気付いた。
子供が生まれてから、アレンは自分に構ってくれなくなっていた。
それが日を重ねていくうちにどんどん寂しくなっていった。
子供じゃなくて自分にも構って、と何度も言いそうになった。
しかし母親だから、と必死に我慢していた。


「カレンとか、ハイリーだけじゃなくて…私も構って貰いたかったの……っ」
「リナリー……」
「こんな年になって迷惑だと思うけど……アレン君に甘えたかったの」


そのリナリーの可愛さにアレンは思わずリナリーの唇にキスした。
リナリーは目を丸くした。
しかしすぐに軽く目を閉じた。
アレンは何度も口付けを繰り返した。


「甘えたいなら素直に甘えればいいじゃないですか」
「アレン君?」
「素直に甘えたい、って言えばいいんですよ。……僕だって気付けない事があるんですから」
「有難う……アレン君」


リナリーはギュッとアレンに抱き付いた。
アレンも抱き締め返す。しばらく抱き締めあっていた。
リナリーはずっと嬉しそうにニコニコとしていた。


「……甘えるのに年齢なんて関係ないんですよ」
「本当?」
「えぇ。僕の奥さんだったらね」


ニッコリとアレンは微笑んだ。
奥さん限定と言う言葉にリナリーは何となく嬉しかった。


「じゃあ…頑張って働かないで……」
「リナリー?」
「アレン君が必死に働いちゃうと…2人きりの時間が少なくなっちゃうから……」
「……」
「本当はアレン君は皆の為に働きたいんだろうけど」
「分かりました。神田やエイトに任せますよ」


あの人達ならいっぱい働いてくれそうだからね、とアレンは付け足した。
リナリーは思わず笑い出した。
いっぱい働くとそれだけ一緒にいる時間が短くなってしまう。
2人きりの時間は本当に極僅かだ。


「……本当にゴメンね…アレン君」
「大丈夫。僕こそ気付けなくてゴメン。僕はリナリーが側にいてくれるだけで嬉しかったから……」
「うん…」
「リナリーの本当の気持ちには気付けなかった」
「有難う。アレン君にそう言って貰えると嬉しい……」


リナリーの側にいるだけでアレンは幸せだった。
リナリーと話すと自分だけが幸せだったのかもしれない。
リナリーの本当の気持ちには気付けなかった。


「明日は2人をコムイさんの所に預けようか」
「アレン君!?」
「ほら…コムイさん、2人をみたいって言ってたじゃないですか」
「兄さんに預けるの…?」
「えぇ。だから僕達は2人で何処かに出掛けましょうか」
「アレン君……」
「リナリー」


コムイがずっと2人を預からせてほしいと言っていたのだ。
それをちょうどいい機会に使おうと言うのだ。
アレンとリナリーは2人きりで出掛ける…と。


「ママ…ッ」
「しぃーっ!アイリーは黙って」
「だってママとパパが一緒にいるんだもん……っ!」
「パパとママがラブラブじゃなかったら私達は生まれなかったんだからね!」
「僕…コムイさん嫌い……」
「私だって苦手だけどしょうがないでしょ!明日神田の所に行けるか聞いてみよ!」
「そうだね!」


子供2人がジッと見つめているとは夫婦は気付かなかった。
そしてコムイは姪っ子、甥っ子に苦手とされていた。
勿論、コムイも気付く事はない。



―――――――――――――――

最後は子供達オチです。
最後どうしようか迷ってたらちょうどいい所にハイリーとカレンがいました。
アレリナではこの2人の登場は初めてですね。
アレンとリナリーの息子と娘です。
ちなみに双子でこの時は3歳くらい。
レナん家の子は5歳くらいかな。
ちなみにこっちは三つ子ちゃん。
カレンは女の子で、赤茶っぽい色の髪の毛に黒の瞳です。(白髪にはならなかった
ハイリーは男の子で、黒髪に銀灰色の瞳です。
ハイリーは小さい頃は弱虫です、きっと。
ですがカレンが色々と言われるようになって、ハイリーが守りだすんだと思います。
いい兄妹ですね、うん。

本当は幸せでいっぱいなのに、何かが満たされてないような感じがしてたんです、リナリーは。
それがアレンに構ってもらえてない、って事に気付いたんですね。
アレンもアレンでアクマ退治が忙しくて、中々子供にも、リナリーにも構ってあげられなかったんだと思います。
家族と居たら子供優先しちゃいそうですしね。
なのでリナリーは少し寂しい気持ちになってしまったんだと思います。
こんな気持ちを思っちゃいけない、って分かってるつもりなんですけど実際は寂しくなっちゃって1人で泣いてるのかな。
ついに爆発しちゃって、思いを打ち明けてもらいました。

で、2人からコムイさんは嫌われてます。
本人は知りません。
それとアレリナも。
理由はきっとしつこい、とかでしょうね。
コムイさん、四六時中お腹空いてない?とか聞いてきそうです。(笑

2人ってか皆から神田は神田って呼ばれてます。
さんとか何もつけられてなくて神田。
最初は神田は親にキレたんだと思います。
でも直らないのでしょうがなく認めてるんだと。
皆(子供達)は神田で遊んでると思います。
子供が苦手だ、って知ってて付きまとってると思います。

レナちゃんとエイトは早く書けるように頑張りたいと思います。
ちょっとした伏線でしょうかね。



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2007年12月12日




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