D.Gray-man

□アレリナ短編集
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「う゛っ!う゛ぁぁぁぁっ!」


余りの痛みで目覚める。
額が痛い。額が痛い。
眠れるワケなんかない。
痛みで目が冴える。
この声を誰にも聞かれてはいけない。
額のキズがバレてしまった時点で終わりだ。

この前、アクマとノアと戦った。
その時…アレンとリナリーにはノアが体内なかにいる事を言われてしまった。
リナリーはその事をしらない。
一週間、選択する期間を貰ってしまった。
5日が経過したが毎晩額に痛みが襲う。
その時にノアの聖痕があるのも確認した。
自分はノアの能力があったのだ。


「アレン!」
「ぁ…はい!どうしましたか!?」
「リナリーが目覚めたぞ!」
「今行きます!」


頭に適当に包帯を巻いた。
この前、頭に怪我をしたのは確かだ。
聖痕が見えないのはいいがもしもの為に今もつけている。
慌ててリナリーの所へ駆けていく。





星空





「リナリー!」
「……アレン君?」


起き上がっているリナリーが見えた。
リナリーは目に包帯を巻かれていた。
姿が見えないのだろう、手を伸ばしていた。
アレンはギュッとリナリーを抱き締めた。
リナリーもギュッとアレンの背中に腕を回した。


「……アレン君?」
「………」
「アレン君!アレン君でしょ!?」
「リナリー……」


涙が出てきた。
同じ攻撃を受けたリナリーであったが目を失ったようなものだった。
リナリーの目は今、光を失っている。
戻る方法は1つだけであった。


「リナリー…」
「なぁに?アレン君」
「リナリーッ!愛しのリナリーッ!」
「……話は夜中にでもします」
「…うん」


コクリとリナリーは頷いた。
アレンは静かにリナリーの腕を放す。
それと同時に部屋にコムイが入ってきた。大量のお菓子やら人形やらを持って。


「……私の目、もう見えないんだって」
「………」
「見えなくなっちゃったら……もうエクソシストとして戦えない……」


リナリーが涙声になっている事に気付いた。そしてリナリーの目から涙が零れている事も。
リナリーは絶対に助かる、そう気付いた。
看護師達も何処か違う部屋にいる。
2人きりの状態だからこそ出来る話をアレンはしようとしていた。


「リナリー…」
「アレン君、外に連れて行ってくれないかな?今日、晴れでしょ?」
「えぇ…太陽が出てましたよ。外、行きましょうか」


リナリーに自分のコートをかける。
そして一歩ずつ、ゆっくりとベランダに向かって歩いていった。
キラキラと輝く星が幾つも見える。


「…星、見える?」
「えぇ…沢山見えますよ。キラキラと輝いてて…」
「何だかね、私にも見えるような気がするんだ。アレン君がそういってくれると…何となくだけど」
「リナリーにはきっと見えてるんですよ」


今見えている景色の事をアレンは沢山話した。
出来るだけ、リナリーがイメージしやすいように。
リナリーは笑ってくれた。久しぶりにリナリーの笑顔を見たような気がした。


「リナリー、目…元に戻したいですか?」
「うん。元に戻れるなら、何でも…捧げるし、するわ」
「じゃあ……ノアになって下さい」


何の躊躇いもなくアレンは言った。極普通の会話の途中に。
その二文字の言葉にリナリーはアレンの声のする方を向いた。
自分の視力が回復させるにはノアにならなければならない。


「……私だけ……?」
「いいえ、僕もです。リナリーと僕が一緒にノアにならないか、って言われちゃいましたよ」
「アレン君と、私がノアになるの?」
「ええ」
「それだったら……アレン君が一緒だったら、ノアになる…」


リナリーの決意は固いように見えた。
1人だと何かと心細い。しかし恋人と一緒ならば何の苦もない。
アレンの方を何処か不安そうに見ていた。
アレンがノアになる気がないのは知っていた。


「でも、アレン君…ノアになるの?」
「ならない訳がないじゃないですか。教団と僕らが秤にかけられてるんですから」
「……そうなの?」
「えぇ。僕らがノアにならなかった時には教団を爆破するって言われちゃいましたから」
「そうだよね…でも、ノアになるとエクソシストを殺さなくちゃいけないんじゃないの?」
「でも…後の事はノアになってから考えりゃいいんじゃないですか?」


一緒にノアになる。
そうすれば2人とも死なずに生きる事が出来る。
ただ、ノアとしてエクソシストを倒さなければいけなくなってしまうだろう。


「…イノセンス破壊だけでいいんじゃないですかね?」
「…それしか出来ないよね。殺す事は出来なくても傷つける事なら…出来る」
「そうですね」


2人揃って聖痕が疼く痛みを耐えた。
2人なら、2人で一緒なら平気な気がした。
ノアに目覚めてしまえば聖痕の疼く痛みはなくなる。


「よぉ、ノアになる事にしたのか?アレン、リナリー」
「えぇ、なりますよ。ノア敵になる事で教団に対する直接攻撃はなくなるんですから」
「決定な。もう変えられないんだぞ?」
「分かってる、そのくらい」
「じゃあこっちに来てもらおうか」


ノアの代表として1人、少年がやってきた。
リナリーより少し低い身長の少年。額には聖痕があった。
アレンはそっとその少年の所へ近付いた。


「ノアになればリナリーの目は復活するんですよね?」
「ノアの力で目を封印してるだけだからな」
「…お願い。私達を連れてって」
「あぁ…」


少年は2人の額に手を当てた。
2人の額に聖痕が浮かぶ。しかし痛みはない。
リナリーは静かに包帯を外し、何度か瞬きをした。
数日前に見ていた景色がそのまま映った。
嬉しくてしょうがなく、アレンに抱きついた。


「さてと、行こうか。僕らの家にな」
「えぇ」
「うん」
「ロードとか、皆が待ってる」
「貴方の名前は?」
「エドワード」


3人は歩き出す。
ノアの家に向かって。



―――――――――――――――

ノアレリナを書きたくてノアレリナです。
カイト君初登場。
未来で登場予定の男の子です。
何かアレンからリナリーバージョンです。(ノア化が)
アレンが先に目覚めてます。
リナリーとアレンは一緒の任務で衝突し、負傷して戻ってきました。
きっとイノセンス破壊を主な活動と2人はしますね。
何か微妙な話だなぁ…。(ぁ



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2008年2月2日




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