D.Gray-man
□ラビミラ短編集
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仕草4『無防備な寝顔』
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「ラビ君」
「ラビ君」
「ラビ君」
何度も、何度も、ミランダが自分の名前を呼んだ。
半分寝ぼけながら、しっかりとその温もりに触れた。
昨日、初めて自分は彼女を抱いた。
「……どうしたんさ?ミランダ」
「良かったぁ…死んじゃったのかと思って…」
「そんな簡単に死なないさ、人は」
「でも…心不全とかで死んじゃったら…」
「それは爺のようなジイさんにしかならないから安心するさ」
「そっか」
ニッコリと微笑む彼女。
その笑顔にホレてしまった自分。
反応が無いから死んだのだと思っていたらしい。
ラビは静かにミランダを抱き締めた。
「ラビ君!?」
「大好きさ、ミランダ」
「私も、ラビ君の事が好き」
しばらく抱き締めていると、ミランダの寝息が聞こえてきた。
いつのまにか、ミランダは寝てしまったらしい。
なのでベッドに寝かしつける。
ミランダは気持ちよさそうに寝ていた。
(…人って本当に寝てる時は無防備だよなぁ)
ミランダを見て、そのような事が思い浮かんだ。
今のミランダは無防備状態だ。
完璧にラビを信じきっている。
「…オレがアクマだったらどうするさね、ミランダは」
ふと呟いてみる。
もし、自分がアクマだったらミランダは自分を倒せないだろう。
それと一緒で、彼女がアクマだったら自分は倒せないと思う。
(可愛い寝顔…)
そっと彼女の髪の毛をかき上げた。
彼女はまだ眠っていた。
しょうがなく、自分の再びベッドに入る。
(…お休み、ミランダ)
心の中で、そう言った。
そして自分も眠りについた。
→あとがき