最強で最恐集団。―鬼龍―

□ピンチ!?
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「神崎彪牙ぁ! 出てこい!」

鬼龍の溜まり場、倉庫に響く怒鳴り声。
その声を聞き、駆け付けてきた10人の男。

「おいおい。 敵陣に乗り込んで来るたぁいい度胸だな」

口元に笑みを浮かばせる叶汰。

「ホントホント。 しかも、彪牙を出せ? 誰が彪牙を出すよ?」

それに加勢する颯天。

「武器なんか持って、物騒物騒」

楽しそうにクスクス笑う昴。

「て、テメェらうるせーぞ! 良いから神崎を出せってんだよ!」

3人にたじろぎながらも叫ぶ。

「良く吠えるは犬猫の如く、だね☆」

何かに言い返すのを動物に例える秦。

「おれらは、雑魚に負けるほど弱くねぇよ? ましてや、彪牙の様に優しくもない」

そう付け加え、ニッと笑う智輝。

「馬鹿じゃないの? 僕らには勝てないよ」

勝敗を予想しているような口調で冷静に言う怜。

「怜の言う通りだよ?」

可愛い声で、しかし、目が笑ってない春。
7人が並ぶだけで凄い迫力。

「なぁ、由紀。 殺っていい?」

叶汰が2階に居る由紀に目を向けながら聞く。

「コラコラ。 まだ彪牙から指示は出てませんよ?」

わざとらしく彪牙を見ながら言う由紀。
そんな由紀にチッ、と舌打ちをする彪牙。

「あれ? どうしたんですか? あの可愛らしさは何処へ?」

そう言うとうっ、と言葉を詰まらせる。

「おい。 由紀知らねぇのか? 彪牙は、こういう時は“総長”なんだぜ?」

ニヤニヤしながら朔に寄り掛かる寿也。

「おいぃぃ! 俺らを無視すんな!」
「はぁ、五月蝿いですねぇ…。 彪牙」

騒ぎ出す奴等に冷ややかな視線を向け、彪牙を促す。

「わぁったよ。 お前ら、思う存分暴れろ」

この言葉を待ってましたかと言うように寿也は2階から飛び下り、みんなが敵に突っ込んで行く。

「彪牙」

戦う仲間を見ながら彪牙の名を呼ぶ。

「あ?」

由紀に視線を向ける。

「可愛い彪牙は“総長”以外の時だけなんですか?」
「はぁ!?」

いきなりの言葉に目を見開く彪牙。

「…総長の時にそんな俺だったら、皆をまとめられないだろうが」

手の甲で口を隠す彪牙。

「…そうですね。 立派です、彪牙」

そんな彪牙を優しい微笑みで見る由紀。
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