最強で最恐集団。―鬼龍―

□トラウマ
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「………ハッ!」

ベッドから勢いよく起き上がる彪牙。
回りには、叶汰と颯天、秦が寄り添っていた。

「…ッ!!!」

ゾワッと彪牙の背筋が氷る。
3人が彪牙の手を握っていたからだ。

バッと手を離し、ベッドから勢いよく下り、シャワー室に向かう。

――ドン

「…彪牙?」
「…ゆ、き…ッ…」

ぶつかった相手を見ると由紀だった。
彪牙はそのままシャワー室に駆け込んだ。

「…くっそ、くっそ………ッ!」

そう呟きながら身体をゴシゴシ洗う。
少し、血が滲んでいた。

「彪牙、大丈夫ですか?」

シャワー室から出れば、目の前には由紀がいた。

「!!!」

自分に伸びてきた手を反射的に払う。

「…あ……ッ…、ごめん……」

払ってしまった由紀の手を見ながら謝る。

「いえ」と微笑みながら返す。

「彪牙、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃねぇから、由紀の手払ったんだろ…」

悲しそうな顔しながら言い返す彪牙。

「彪牙…?」
「寿也…ッ」

背後からの声に振り替える。

「大丈夫か?」
「!!!」

今度は寿也の手を払ってしまった。

「わ、わりぃ…」

そう言った彪牙は、部屋に駆け込んだ。
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