Dream
□夏休み限定家庭教師
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夏休み中に勉強するか、しないか。
小学校の時はまだしも、中学、高校ではその差が2学期に浮き彫りになる。
周りの女の子達はみんな塾に行ったりしているが、自分の場合仕事があるのでなかなか時間が合わせられない。
家庭教師を付けてもらうにしても、さすがに時間帯に限度がある。
そこで。
「会社で勉強教えてもらえるような人に頼んでみたらどうかしら」
夏休み限定で出張先から帰ってきている母が何気なく言った。
たしかに頭の良さそうな・・・ー勉強を教えてもらえそうな人は結構ごろごろいる。
早瀬君は・・・いやいや、それは何だか悪い。
他に色々と候補が出てきたが、どれも無理があるし、申し訳ない。
しょうがない、自力で勉強するか。
数学以外は特に問題なく進めているのだし。
そう考えた瞬間、もう1つ候補が頭に浮かぶ。
ーいやいや、それはだめだ。あの人に頼むなんて、情けないし申し訳ない。
でも、あの人ならあっさり引き受けてくれそうな気がしなくもない。
最終的に、ダメ元であの人に頼んでみる事にした。