短編2
□あの日の闇と
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それは突然の出来事だった
いつも通りの賑やかさ
いつも通りの巡察
どれほど《いつも通り》が大切なのか
今ようやく分かった気がする
この日
総悟と二人で巡察に出ていた。
何故かいつもサボる総悟が巡察をきちんとしているのに、気持ち悪さを覚えているが、いつまでも子供ではないとようやくその時は思った。
……その時は。
それから数分後
突然強い風が吹き抜けて、その場から二人は消えた。
つんと鼻に付く臭いがする。
いつも嗅ぎなれている鉄臭い臭いに目を覚ました。
目を覚ますと、そこには焼け野原が広がっていた。
遺体が折り重なる。
そこはまさに地獄絵図だ。
そんななか、辺りを見渡すと、刀を片手にした男どもがいる。
何かに刀を突き付けて。
「おい、総悟」
近くに未だ寝ている総悟を揺さぶる。
状況を理解するには出来るだけ多くの情報が必要だ。
そのとき、総悟はパッと目を見開いて刀を抜き、俺に突きつけてきた。