銀土小説

□土方十四郎の憂鬱
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八月某日。

その日は特に慌ただしい朝だった。
ちなみに過去形で文を綴じているが、一応現在進行形だ。

で、ここからが問題。

実は、俺は副長という立場で、いつも万全の準備をしておかなければならないというのにも関わらず、視力が悪い。
理由は主に、総悟とかザッキーとか総悟とか総悟関係の始末書を、夜の暗い中で延々と書いていたからだと思う。

そのためにコンタクトを着用しているんだがな、

…………………………、

それを、今朝、総悟が踏み潰した。
総悟が。

あいつのせいで買う羽目になったってンのに…。

あのクソガキ…ッ!!

とりあえず半殺しにして去ってったが、問題はこのままでは仕事にならないということだ。
ということで、

取り敢えず便利なザッキーを探してこよう、と思います。
アレ、作文?
とか思いながら食堂へ向かった。



食堂のドアを開け、少し歩いてみたが、誰が誰だかわからないので、取り敢えずザッキーを呼んでみる。

「オイザッキー、サボったら始末書だぞコルァ!!」
「土方さんそっち誰もいませんぜィ」

呼んでもない奴に返事される。

「お前は黙ってろ!!!」
「いやだって、土方さんが話しかけてる方向誰もいませんって」
「つーかお前が元々悪ぃんだろ!!少しは反省してこいやッ!!」
「うるせーな土方の分際で偉そうなんだよ」

ウゼェコイツ…、
ムカついたので一発殴ったが、それは宙を切った。
やっぱ俺、相当目ェわるくなってたんだな…。

「まぁいい、取り敢えずザッキーがどこにいるか教えろ」
「そういえば土方さん、この部屋、なんかアンパンの匂いがムンムンしませんかィ?」
間接的ではあるが、つまりこのアンパン臭を辿っていけばザッキーに会えるっつーワケか。

「ありがとな、総悟」
礼をいって走り出した。



「俺はただ、アンパン臭がする、って言っただけなんですがねィ」

そんな総悟の言葉には気づかずに。
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